学生探偵がアルバイトにまつわる疑問を徹底調査!

バイトスクープ 調査File.08

本音を言うべき?隠すべき?

「バイトを辞める理由」座談会

今回の依頼内容

「アルバイトを辞めるときって、正直に理由を伝えてもなかなか辞めさせてもらえないなんて噂もあったりして、何か理由を考えたりするものだと思います。そこで、バイトを辞めるときの言い訳のバリエーションを教えてください。円満に辞められる言いかたとか、知りたいです」

< 依頼者 > P.N. ジョニーさん(18)/大学生/京都市伏見区在住

今回の調査担当
  • 笠ちふみ(20) 早稲田大学政治経済学部政治学科3年

バイトを辞めるときは、できることなら円満に辞めたい

私は今まで、バイトを辞めた経験がありません。しかし、いつかバイトを辞める日がくるでしょう。その日のことを考えると、ジョニーさんのように「なんと言って辞めればいいのか?」という点は非常に気になります。円満に辞めることができればそれに越したことはないのですが、そのために果たしてどんな言いかたをすればいいのでしょうか?

いわゆる「ブラックバイト」に関して、さまざまな記事や経験談を読むことができます。それだけ大変な思いをしているバイトスタッフも多く、また世間一般の関心も決して低いものではないのでしょう。たとえば、バイト先に「辞めたい」と伝えても、バイト先からいろいろと理由をつけられてなかなか辞めさせてもらえなかった、という経験をした人もいるようです。

ということで、「どんな辞めかたがあり、何が望ましいのか?」をテーマに座談会を開催してみました!参加者は、過去にバイトを辞めた経験のある大学生の男女3名です。

<参加者>
司会 笠ちふみ

Iさん
大学2年生、女性。以前大手チェーンのカフェで半年ほどはたらいていた。
現在は保険会社でバイトをしながら、サークル活動にも積極的に参加している。

Oさん
大学3年生、男性。塾講師バイトとトンカツ屋のバイトを辞めた経験がある。塾講師バイトは約1年、トンカツ屋は約3ヶ月勤務。今はボランティア活動や資格取得に集中。

Sさん
大学3年生、男性。大手コンビニチェーンで1年半ほどバイト経験あり。
Oさんと一緒に今はボランティア活動に専念。

バイトを始めた理由は、人それぞれ

何を求めて、そのバイトを選んだのか。まずはバイトを始める前の気持ちを思い出してもらいました。

――― そもそもなぜそのバイトを選んだのですか?

Iさん「私にとっては初めてのバイトだったので、まずは接客を経験したいと思ってカフェにしました。カフェって、なんだかおしゃれなイメージがあるし、チェーン店ではたらくことに『手堅さ』を感じたというのも理由です」

Sさん「僕も同様に『初めてのバイト』というのが出発点でした。コンビニ勤務を経験しておけばバイトの基本のようなものは身につくかな、と」

Oさん「僕は、既に高校時代にイベントスタッフやプールの監視員といったバイトをした経験がありました。ただ、当時やっていたこれらのバイトは、『体を動かす』タイプのシゴトばかりでした。それで、大学に入ってからはむしろ『頭を使う』シゴトをしたいなと思って塾ではたらくことにしたんです。トンカツ屋に関しては、Iさんと同じで接客をやりたかったというのが理由です。トンカツ屋ならメニューが少なくて楽だろう、と思って」

Iさん「実際、トンカツ屋のメニューの量はどうでしたか?」

Oさん「あまり楽ではなかったですね、残念ながら(笑)『○○と××の△△』といった複雑な名前のメニューも多くて」

――― 3人とも継続期間がバラバラですが、もともとそのくらいでバイトを辞めるつもりでしたか?

Sさん「僕の場合はもともと1年程度、と考えていました。店長にもそのように伝えてからバイトを始めました」

Oさん「塾に関しては、特に辞める気はなかったです。ある程度長くはたらく気でいました。大学にいる間は続けてもいいかな、という具合です。トンカツ屋は大学の授業との兼ね合いなどを考えて、3年生あたりで辞めようと考えていました」

Iさん「私は『辞める』ことについてはっきりと考えていたわけではないです。ただ、カフェバイトの契約更新が3ヶ月ごとだったので、そのときはちょうど更新のタイミングで区切りよく、という程度でしょうか」

バイトを辞めるターニングポイントは

「バイトを辞めたい」と感じたことには、何か理由があるはず。特にSさんは期間を決めていたようですが、どんなことがあったのでしょうか。

――― 皆さん、何がきっかけで「辞めたい」と考えたのでしょう?

Iさん「1番は、大学の授業との両立が難しく感じたことです。授業後にシフトが入っていると、『面倒くさいなあ』と思うようになりました。それから給料にも少し不満があったかな。都内の店舗で時給が930円だったんですが、せめて900円台後半でもよかったのではないかと」

Oさん「僕は……、ひとことで言うと『バイト先の人間関係』です。塾講師バイトもトンカツ屋のバイトも。塾は『アットホームさ』をウリにしていたんですが、ほかの先生たちと格別仲良くもありませんでした。仲が悪かった、ということでもないですが、あまり居心地良く感じなかったんです。トンカツ屋は、早い話が僕は接客業に向いていないなと、なんとなく思ったんです。もともとキレイ好きで、残飯を片づけたりすることにも抵抗ありました(笑)シゴト内容が好きになれないっていう経験、ありませんか?」

Sさん「ありますよ!コンビニのバイトではトイレの掃除もやっていたんですけど、これがかなりしんどかったです。僕も結局飽きちゃったんですよね、コンビニのシゴトに」

――― コンビニバイトでは、具体的にどんなシゴトを?

Sさん「品出し、掃除、検品、レジ、発注確認……僕はベテランのほうでしたから、ほぼ全部です。新人さんが入ってきたら、その教育係のようなこともやりました。なんだかんだ頼りにされて、精神的にちょっと負担でしたね。あと、はたらき始めた当初から仲良くしていたメンバーがそのころ次々に辞めていってしまったということも原因で、もう限界、という心境になりました」

――― たとえばバイト中にイヤなことがあったりは?

Sさん「ありました。あるお客さんに一方的に暴言を吐かれて、一触即発の状態になったことが(苦笑)あれには本当に腹が立ちました。このことも『バイトを辞めたい』という気持ちを強めた要因でしたね」

Iさん「それは強烈ですね……!接客に関するトラブルの経験なら、私にもあります。カフェではホールのシゴトをメインにやっていたんですが、あるお客さまから、メニューに載っていないものを注文されたんです。ご希望に添えないことをお伝えしても、そのお客さまがしつこくて。こちら側としても、どうしようもなかったんですが……。こういったトラブルがあると、その後もずっとそれを引きずってしまいますよね」

Oさん「友人の話ですが、彼は勤務中のミスが原因で辞めることを決めたらしいです。居酒屋ではたらいていたとき、ホール時のミスでお客さんに迷惑をかけてしまったそうです。そういったミスがほかにもいくつか重なって、彼にしてみれば『これ以上お店にもお客さんにも迷惑はかけられない』という心境になったようです」

バイトを辞めることを伝えるときって?

――― 「辞めたい」という意思は、どのタイミングで、どんな理由と一緒に伝えましたか?

Oさん「塾講師バイトは、授業のあと、新学期開始の1ヶ月前くらいに伝えました。3学期制を採っていたんですが、学期の途中だと、生徒にも迷惑がかかりますから。理由としては、コンセプトである『アットホームさ』が合わないことと、当時既に始めていたボランティア活動について話しました。僕がやっているボランティア活動は、一人親家庭向けの無料塾で生徒さんを教えること。同じ業務内容なのに、一方で給料をもらい、もう一方ではもらわないなんて、矛盾しているでしょ。そこに違和感を持っていることを強調したんです。我ながら説得力があったと思います(笑)トンカツ屋のバイトでは、授業やボランティア、資格の勉強で忙しいことを理由にしました。こっちも伝えたのは、大体1ヶ月前でしたね。別件でバイト先に行ったとき、直接店長に伝えました」

Iさん「私が店長に意思表示をしたのは、辞める2週間前あたりだったと思います。今のバイト先を見つけていたので『新しいことをしたい』という内容を直接正直に伝えました。シフト提出が2週間ごとだったので、それに合わせた形です。ただ、その1週間前くらいにベテランの先輩に相談していました。そのまま辞められたのはもしかすると先輩から店長に私の気持ちが伝えられていたからかもしれません」

Sさん「僕もシフトを出すタイミングで、1ヶ月前くらいに店長に話しました。伝えたのは、バイト中。理由は、さっき話したお客さんとのトラブルや、新人が増えてきて世代交代の時期ではないかという考えも話しました。バイトを始めてから1年半経っていて、そろそろ新しいことも始めたい、ということも交えたかな」

――― 伝えたときの反応は?引き止められたりしませんでしたか?

Sさん「引き止められました。『次のバイト先が見つかるまで続けたら?』と。当時新人が多くて、僕はベテランだったからだと思います。店長には仲良くしてもらっていたので、心が痛みました」

Oさん「僕も、塾のバイトで引き止められました。自分が担当していた生徒のことが好きでしたし、心から申し訳ない気持ちもあったので、それに応じる形で一旦は話を持ち帰りました。結局『やっぱり……』と辞めましたが」

Iさん「へえ、そうなんですね!私の場合はすんなり受け入れてもらえましたよ。私のバイト先は、なんというか『意識が高い』人が多かったんです。私がその雰囲気にあまりついていけていなかったことが、店長にもなんとなく伝わっていたんだと思います。私がまだ新人だった、という点もスムーズに辞められた理由の1つだったかもしれないです」

Oさん「たしかに『新人』というのはカギかもしれないですね。僕もトンカツ屋を辞めたときはあまり問題なく受け入れてもらえました。そのときまだ研修中で新人中の新人でしたね」

――― バイト先でまだ十分に活躍ができていない時期は、残る人に迷惑をかけることが少ないぶん、辞めやすいということですね。合わないなと思ったら、粘って頑張るよりも、早めに決断したほうがお互いにとって良い面もあるのかもしれません。

Sさん「でもね、店長との仲が良ければ引き止められはしますが、それだけこちらの事情にも配慮してくれて辞めやすいというのもあるんですよ。だからバイト歴と辞めやすさとの間には、必ずしも短いから辞めやすいことばかりではないかもしれないです」

バイトを辞めた今

3人は今、自分の辞めかた、そしてバイトを辞めたこと自体についてどう思っているのでしょうか?

――― バイトを辞めたこと自体、今は良かったと思っていますか?

Sさん「例のお客さんとの一触即発事件で、店の評判を落としてしまったか?ということは考えましたが、店長によるとそのお客さんはその後もお店に来られたらしいので、今は特に気にしてはいないです。あのときは僕も本当に心中穏やかでなかったわけですから、どのみち辞めて良かったと思っています」

Oさん「トンカツ屋のバイトは、辞めて良かったと思います。確かに研修中に辞めた、というのは早過ぎる気もしますが、それでもタイミングは良かったと思ってます。ちょうど夏休みが終わるタイミングに辞めたんですが、もしそれを逃していたら、なんというか『辞めるための正当性』を失っていた気がします。塾講師のバイトに関しては、生徒のことを思うと少し複雑な心境です。心配というか、気掛かりというか。3月末で辞めたんですけど、できることなら受験期まで教えてあげたかったです。気掛かりはありますが『仕方がない』のひとことですかね」

Iさん「すんなりバイトを辞められたので、結果として良かったと思っています。自分にとってほかに楽しいことを見つけていましたし。少し後悔しているとすれば、『シゴトに対する責任感が持てないまま辞めた』と思われているのではないかと、その点を気にしています。それから、もしあのままバイトを続けていたら、キャリアアップを通じてまた違う世界が見えたのではないか、ということも感じています」

バイトを辞めるときの「辞めやすい」言い訳って?

調査依頼者のジョニーさんが知りたいという「バイトを辞めるときの言い訳のバリエーション」。辞めるときはなるべく円満、円滑に進めたい、というところでしょう。これについても経験者3人の意見を聞いてみました。

――― ご自身の経験を振り返って、どのような「言い訳」が効果的だと考えますか?

Oさん「自分の将来に関連したことを話すと、バイト先も受け入れてくれると思います。たとえば僕が言った『資格の勉強が忙しい』というのもその1つです」

Sさん「そうですね、なんといっても、結局正直に言うことが一番じゃないですかね」

――― わざわざ相手が受け入れやすい理由を考える必要はない?

Sさん「そう、そのほうが気持ちもこもっていますし。もしも僕のように、すごくショッキングなことやつらいことがあって辞めたいと思うようになったのであれば『心に深い傷を負った』と正直に言えばいいんじゃないかな」

Iさん「私も正直に自分の気持ちを伝えて、特にいざこざはなかったですね。それと、カフェバイトでどんなことが学べたのかを最後に少し話すことで感謝の意を伝えました。でも、辞めるときにはいろいろと気をつけないといけないこともあると思います」

――― 具体的に、どんな点に配慮しましたか?

Iさん「まずは、既に確定したシフトには入る、ということです。自分のシフトが決まっているのにそれを放棄して辞めるようなことは絶対にダメ。あとは、話を切り出すタイミングも、ある程度区切りのよいときにしたほうがいいですね。一般的にはシフトが決まる前のタイミング、でしょうか」

――― Iさんは給料に関しても多少不満があったとのことですが、その点には触れましたか?

Iさん「それは話してないです!お金の話をすると、気まずくなりそうだと思って」

Oさん「そうですよね。辞めてしまえば給料なんて関係ないですし。あとは直接話す前に、あらかじめメールなどで『お話したいことがあります』と伝えておくといいと思います。この時点で話したい内容を推測できると思います。なんといってもお互いに覚悟が決まります」

――― OさんとSさんはそれで引き止められた経験もありますよね。引き止められたときの対処法についてはどうですか?

Oさん「僕は、1回保留という形をとりました。あまり強硬な姿勢を見せるのも、印象悪いですよね」

Sさん「いったん保留にすることで、むしろ深刻さを伝えることにもつながると思います」

――― ありがとうございました。

学生探偵による[調査報告] File.08

学生探偵 / 笠ちふみによる報告

今回座談会に参加してくれたみなさんの意見をまとめると、バイトを辞めるときには、わざわざ特別な「理由」を考える必要はないようです。自分の現状と向き合い「このバイトの何が辞めたいと思う理由なのか」を明確にすることが大切だと思いました。正直に、ありのままの理由を直接話すことが円満な退職に向けての近道なのでしょう。「学校が忙しい」「新しいことを始めたい」、バリエーションはさまざまです。ただし、バイト先に迷惑をかけるようなことはしないこと!

バイトスクープ調査履歴 Back number

今までにお引き受けした調査内容がお読みいただけます。

バイトスクープ探偵File Detective file

調査をお引き受けする学生探偵をご紹介いたします。

  • 学生探偵 No.01

    調査担当者

    藤井愛乃(21)

    早稲田大学政治経済学部3年生

    子どものころの夢はスーパーのレジ打ち。レジのお金はすべてレジ打ちのおばさんのものになると思っていた。大学では公共経済を学んでいるが数字が苦手。食べることが大好きなので将来はなんらかの形で食に携わりたいと考えている。

    調査担当
  • 学生探偵 No.02

    調査担当者

    中村史(21)

    早稲田大学政治経済学部3年生

    和歌山県出身。趣味はランニング。この前は富士山マラソンを無事完走!しかしその後、全身筋肉痛になりおばあちゃん生活を余儀なくされる。よく「ランニングの何が楽しいの?」と聞かれるが本人もよくわかっていない。

    調査担当
  • 学生探偵 No.03

    調査担当者

    永田紗也(22)

    法政大学キャリアデザイン学部3年生

    大学生になって、おみくじデビュー。それまで引いたことがなかった。のちに引いた、人生二回目のおみくじが一回目とまったく同じもの。運がいいのか悪いのか。大学では人生設計について学んでいるが、最近の一番の悩みは本人自身の人生設計について。答えが見つからない場合は、おみくじで決める予定。

  • 学生探偵 No.04

    調査担当者

    高野汐音(21)

    上智大学文学部哲学科3年生

    高校時代、何かに目覚め哲学科に進学したが、当時何に目覚めたのかは今になってはわからない。趣味は映画とお笑いで、同じ映画を9回観たり、好きな芸人の単独ライブのために1人で遠征したりするので、まわりの友人たちが若干ひいている。

  • 学生探偵 No.05

    調査担当者

    稲垣佳乃子(23)

    同志社大学法学部政治学科4回生

    好きな食べ物は、お味噌汁。好きなことは、読書と散歩。超猫背なのも作用して「おばあちゃんみたいだね」とよく言われてしまう。睡眠は平均8時間。それでも、毎日眠くてたまらないので、眠気が押し寄せる病気ではないか?と内心、心配している。

  • 学生探偵 No.06

    調査担当者

    笠ちふみ(20)

    早稲田大学政治経済学部政治学科3年

    なぜか昔から、ものを収集することが好き。鉛筆などの文房具から始まり、今はなんとなく猫グッズを集めている。ちなみに本人は犬派だが、顔はどちらかというと猫に似ているらしい。

    調査担当
  • 学生探偵 No.07

    調査担当者

    葛祐実(20)

    慶應義塾大学総合政策学部3年

    4人兄妹の3番目、次女。兄と姉のいいとこ取りをしてきた人生を歩んでいる。熱しにくく冷めにくい性格で、趣味は多くないが一度好きになるとそれに夢中になって周りが見えなくなることもしばしば。最近は妹の影響でプロ野球の結果にそわそわする。

    調査担当
  • 学生探偵 No.08

    調査担当者

    藤井初芽(20)

    法政大学文学部地理学科3年

    徳島県出身。愛称は「はじめちゃん」。地理を専門的に学ぶ大学生。K-POPが大好きでアイドルを追い国内・国外問わず、さまざまな土地を旅している。好きな液体は豆乳紅茶、固体部門では白玉と母自家製のミートソース。

    調査担当

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