写真提供:PIXTA

学生探偵がアルバイトにまつわる疑問を徹底調査!

バイトスクープ 調査File.07

「ブラックバイト」との声もある塾講師バイトに朗報!?

『安心してバイトできる塾』の認定制度がスタート!

今回の依頼内容

友だちに塾講師のバイトをしている人が多いのですが、授業の準備時間は時給が発生したりしなかったり、結構ブラック?な印象もあります。というような話をしていたら、塾業界に「安心してバイトできる塾」を認定する動きがあるらしいと知り合いから聞きました。具体的にどのようなものなのでしょうか?

< 依頼者 > P.N. こめちゃん/大学生/東京都杉並区在住

今回の調査担当
  • 稲垣佳乃子(23) 同志社大学法学部政治学科4回生

塾講師バイトは果たしてブラックなのか?

大規模塾と個人経営の塾、ふたつの塾講師バイト経験があることから、今回の探偵に選ばれた私。自分自身のバイト経験では、それほどブラックだと感じたことはありませんでしたが、そのようなニュースを目にしたり、友だち同士がそんな話をしているのを耳にすることはありました。私がバイトした塾の比較だけでも、与えられた業務範囲や生徒指導の方針、はたらきかたなど、違いがありました。業務によっては、確かにしんどいなと思うこともあり、先輩や同期の仲間に相談することも。ただ、生徒を目の前にすると、多少しんどくても「頑張っちゃう」というのがリアルな心情かと思います。文字通りの「ブラックな塾」を排除してくれる動きがあるのであれば、塾講師バイトOGの私としても、うれしい限りです。ということで、話を聞いてみました。

その名も『安心塾バイト認証』
果たしてどんな取り組みなの?

【塾 バイト】とWEBで検索すると、上位にくるワードが「ブラック」。そんな塾業界を、はたらく人にとっても、より良くしようと活動する団体が『公益社団法人全国学習塾協会』(※1)です。塾業界には業界団体が複数あるそうなのですが、『公益社団法人全国学習塾協会』はその中でも全国各地に支部がある大規模な団体。『安心塾バイト認証』の取り組み以外に『全国読書感想文コンクール』の運営などもされているそうです。『安心塾バイト認証』制度について、担当の安部譲一さんに話を聞きました。

―― 早速ですが、『安心塾バイト認証』制度とは、なんでしょうか?

安部さん「はたらく人にとって安心な塾であることを、当協会の審査を経て認証する制度のことです」

―― どういった審査内容を経て認証されるのですか?

安部さん「2015年12月に、厚生労働省と文部科学省が連名で公表した『学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表』をクリアすることが条件で、基本的には書面審査です(場合によっては現地審査をする場合もある)。審査書面は『労働基準関係法令に違反する事項』『労働基準関係法令に違反するおそれがある事項』『学業とアルバイトの両立のために特に配慮が必要な事項』の3つのカテゴリーにわかれていて、全部で21のチェック項目があります」

―― このような取り組みをされる背景を教えてください

安部さん「昨今、塾バイトにブラックなイメージがついてきています。そのイメージを変えるためにも、ということですね。ブラックとひとことで言っても、はたらいているかたがそう感じる要因はさまざまだと思うのですが、たとえば塾講師バイトは、他業種よりも未払い賃金が多く発生している可能性があります。それは、授業中は給料が発生するが、準備や後片づけには給与を支給しないようなケースが考えられるからです。こういったあいまいな領域をなくし、はたらき手にとって安心できる環境をつくることが目的です」

―― 確かに、塾講師バイトをする友人から、授業前の準備が一番大変だと聞いたことがあります。

安部さん「塾講師バイトをしようと思う人は、教えることが好きな人が多いと思うんですね。だからこそ、生徒のためだからと指示されるままにはたらく人たちがいて、無理を強いる塾もあるようです。その根本を変えていかなければ、魅力的な人材が集まりにくくなりますし、業界の発展もありません。そのための目安として『安心塾バイト認証』を活用してもらいたいと思っています」

私も『学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表』を確認してみました。その中で、これは助かるなと思ったのは『学業とアルバイトの両立のために特に必要な事項』カテゴリーにある「相手の同意を得ることなく一方的にシフトの決定・変更を行っていませんか」という項目です。試験期間中などはどうしても忙しくなるので、塾講師バイトがとても負担になる時期もありました。そんなときに、シフトを勝手に変えられたことが何度かありました。

実際に3ヶ月で塾講師バイトを辞めた人に
話を聞いてみました(大規模経営塾/Aさんの場合)

現在は飲食店でバイトをするAさんは、過去に塾講師バイトをしていたことがあるそうです。『安心塾バイト認証』制度について説明をしながら、あれこれ聞いてみました。

―― 塾講師バイトを辞めちゃったのはどうして?

「テスト前に、シフトの融通が利かなかったことが塾講師バイトを辞めた理由かなぁ。生徒さんを優先するのは仕方ないことなのもわかってるんやけどね」

―― やっぱり、忙しかった?

「そうやね。担当する授業の開始時間に間に合えば問題なくて、明確に何時に来てっていうのはないんやけど、必然的に準備のために早めに行ってたから、結構しんどいときもあったなぁ」

―― 『安心塾バイト認証』の取り組みを聞いてどう思う?

「すごくいいと思う。自分は早めに辞めちゃったけど、そういう塾が増えればめちゃくちゃ安心やなぁ。塾講師バイトをやりたい人がWEBで検索したときに『安心塾バイト認証』を取った塾かどうかがわかるようになれば、いいね」

続いて、大学4年間、塾講師バイトを続けた人に
話を聞いてみました(関西にある個人経営塾/Bさんの場合)

―― 塾講師バイトで、ブラックだなと思ったことはある?

「自分の経験では、ブラックだと感じたことはないなぁ」

―― 授業の準備で、時間外勤務になることはあった?

「私の場合は、プリント作成などはお給料をもらってないよ。授業のたびに15〜30分、時間外勤務を無給でしていたけれど、自分からすすんでやっていたことなので、問題はなかった。時間外勤務に対してマイナス意見を持つ人は、その時間にきちんとシゴトを終わらせて帰っていたしね」

―― 塾講師バイトの一番のやりがいはなんだった?

「生徒が合格したときに『ありがとうございました』と個人的に感謝の言葉を伝えてくれることかなあ。あと、自分が提案した勉強法などで、生徒の成績が伸びたときかな」

――『安心塾バイト認証』の取り組みを聞いてどう思う?

「安心やね。大規模の塾は比較的安心やけど、小規模な塾では、時間外労働などの問題が多くあると思う。でも、認証を受けることが難しい塾も多いんだろうなぁ。実際に友だちが時間外のバイト代の文句を雇い主に言っていたのを聞いたこともあった。だから、塾講師バイトを探すときに、そういった規定や基準があるとすごく助かると思う」

『安心塾バイト認証』認可第1号の塾に、行ってみました!

『安心塾バイト認証』の認可が初めておりたのが、2017年3月。『安心塾バイト認証』第1号として、株式会社成学社(本社・大阪府大阪市)、株式会社スプリックス(本社・東京都豊島区)、株式会社熱き情熱コーポレーション(本社・大分県大分市)の3社が認可を受けました。このうち、株式会社成学社が運営する『個別指導学院フリーステップ』さん(※2)を訪ねました。

話をうかがった『個別指導学院フリーステップ』の井上卓さんは、学生時代から塾講師バイトをされていたそう。「塾講師としてはたらくことは、目の前の他者に対して、何ができるかを考えることのできる場だ」という言葉に、塾講師バイト経験者の私は、とても共感しました。

―― なぜ『安心塾バイト認証』を取ろうと思われたのですか?

井上さん「私たちは『全国学習塾協会』に元々加盟しておりまして、『安心塾バイト認証』の制度策定段階から参画してきたこともあり、認証取得を目指しました。実際に我々の塾では、3年ほど前から労働条件の見直しをはかり、給与の仕組みの整備を行ってきました。条件をきちんと整備したほうが、良い先生が集まり、それが授業のクオリティにもつながります。『安心塾バイト認証』は、はたらく人だけでなく、塾を選ぶ保護者の皆さんや生徒さんにとっても、メリットのある制度だと思います」

―― 労働条件の見直しとは具体的にどのようなものですか?

井上さん「授業の始まる前と後に発生する時間も労働時間とみなしています。先生たちも、教室に来てすぐ授業することは難しいでしょうし、準備が必要でしょう。後片づけも同じです。また、授業カリキュラムを作成する時間などにも目安時間を設け、お給料を払うようにしています」

―― 『安心塾バイト認証』第1号ということで、注目が集まるかもしれませんね

井上さん「『個別指導学院フリーステップ』は、2017年3月13日に『安心塾バイト認証』を取りました。今後は、私たちも業界をより良い方向に導く手伝いをしていかなければならないと思っています。塾講師バイトを探したい人にもわかりやすいように『安心塾バイト認証』をアピールし、すべての人にとってメリットがあるように活用していければと思います」

―― 最後に、塾の運営者側の立場から塾講師バイトを探す人にアドバイスをお願いできますか?

井上さん「業務範囲がきちんと決まっているかどうか、研修があるかどうか、この2点は確認したほうがいいと思います。『個別指導学院フリーステップ』を例にすると、業務範囲は、授業、授業前・後、カリキュラム作成、年数回の教室会議、講師の研修会参加の5つとしています。ほかに先輩講師を生徒に見立てて行う模擬授業などもやってもらいます。指導方法も、先生としての心得も、塾講師の先生に丸投げするような方法では、先生も生徒も不幸になる可能性があります。そういうトラブルを回避するためにも、最初にしっかり確認されることが大事だと思います」

―― ありがとうございました

大学生探偵による[調査報告] File.07

学生探偵 / 稲垣佳乃子による報告

生徒の成長を間近で見ることができる塾講師バイトは、本当にやりがいのあるシゴトだと思います。私自身、大学生のうちに経験できてよかったなと思うバイトのひとつです。なので『安心塾バイト認証』制度の取り組みは、今後塾講師バイトをやりたいと考えている人に朗報だと思います。塾講師バイトに限らず、どんなバイトをするにも、初めに労働条件をきちんと確認するのが大切だなと痛感しました!
調査依頼をくれたこめちゃん、そして、今回の調査について読んでくださったみなさんがもし塾講師バイトをやりたいのであれば、まず『an』の『バイトの「労働条件」は書面で交付してもらってください』は必読です。

『バイトの「労働条件」は書面で交付してもらってください』を読んでみる!!

バイトスクープ調査履歴 Back number

今までにお引き受けした調査内容がお読みいただけます。

バイトスクープ探偵File Detective file

調査をお引き受けする学生探偵をご紹介いたします。

  • 学生探偵 No.01

    調査担当者

    藤井愛乃(21)

    早稲田大学政治経済学部3年生

    子どものころの夢はスーパーのレジ打ち。レジのお金はすべてレジ打ちのおばさんのものになると思っていた。大学では公共経済を学んでいるが数字が苦手。食べることが大好きなので将来はなんらかの形で食に携わりたいと考えている。

    調査担当
  • 学生探偵 No.02

    調査担当者

    中村史(21)

    早稲田大学政治経済学部3年生

    和歌山県出身。趣味はランニング。この前は富士山マラソンを無事完走!しかしその後、全身筋肉痛になりおばあちゃん生活を余儀なくされる。よく「ランニングの何が楽しいの?」と聞かれるが本人もよくわかっていない。

    調査担当
  • 学生探偵 No.03

    調査担当者

    永田紗也(22)

    法政大学キャリアデザイン学部3年生

    大学生になって、おみくじデビュー。それまで引いたことがなかった。のちに引いた、人生二回目のおみくじが一回目とまったく同じもの。運がいいのか悪いのか。大学では人生設計について学んでいるが、最近の一番の悩みは本人自身の人生設計について。答えが見つからない場合は、おみくじで決める予定。

  • 学生探偵 No.04

    調査担当者

    高野汐音(21)

    上智大学文学部哲学科3年生

    高校時代、何かに目覚め哲学科に進学したが、当時何に目覚めたのかは今になってはわからない。趣味は映画とお笑いで、同じ映画を9回観たり、好きな芸人の単独ライブのために1人で遠征したりするので、まわりの友人たちが若干ひいている。

  • 学生探偵 No.05

    調査担当者

    稲垣佳乃子(23)

    同志社大学法学部政治学科4回生

    好きな食べ物は、お味噌汁。好きなことは、読書と散歩。超猫背なのも作用して「おばあちゃんみたいだね」とよく言われてしまう。睡眠は平均8時間。それでも、毎日眠くてたまらないので、眠気が押し寄せる病気ではないか?と内心、心配している。

  • 学生探偵 No.06

    調査担当者

    笠ちふみ(20)

    早稲田大学政治経済学部政治学科3年

    なぜか昔から、ものを収集することが好き。鉛筆などの文房具から始まり、今はなんとなく猫グッズを集めている。ちなみに本人は犬派だが、顔はどちらかというと猫に似ているらしい。

    調査担当
  • 学生探偵 No.07

    調査担当者

    葛祐実(20)

    慶應義塾大学総合政策学部3年

    4人兄妹の3番目、次女。兄と姉のいいとこ取りをしてきた人生を歩んでいる。熱しにくく冷めにくい性格で、趣味は多くないが一度好きになるとそれに夢中になって周りが見えなくなることもしばしば。最近は妹の影響でプロ野球の結果にそわそわする。

    調査担当

おすすめコンテンツ

トップ > バイト・シゴトのなんでもガイド > バイトスクープ > 塾講師バイトに朗報!? 『安心塾バイト』認定制度スタート!