ラッシュ時に乗客を車内に押しこむ駅員バイトは、痴漢に間違われる? ※写真はイメージです

学生探偵がアルバイトにまつわる疑問を徹底調査!

バイトスクープ 調査File.03

朝夕のラッシュ時は大活躍だが――

駅のホームで乗客を整理する “駅員バイト”が 乗客を車内に押しこむ際に 痴漢に勘違いされることはないのか?

今回の依頼内容

電車が好きで駅でのアルバイトをやってみたいと思っています。そこでふと思ったのですが、朝の通勤ラッシュ時に乗客を車内に押しこむときに、「体を触ってきた、痴漢された!」と言う人がいないのか心配です。駅員バイトは痴漢に間違われたりしないのでしょうか。心配しすぎかもしれないのですが、痴漢に間違われたりするのはイヤなので……。

< 依頼者 > P.N. ときおさん(19)/大学生/東京都新宿区在住

今回の調査担当
  • 永田紗也(21)法政大学
    キャリアデザイン学部2年生

まずは依頼者本人に会い、駅員バイトについて不安な胸のうちを聞いてみました!

――― そもそもなぜ駅員バイトをしたいと思ったのですか?

ときお「電車が好きなのが大きな理由です。あとは将来、鉄道関連のシゴトにつきたいと考えていて、将来のためにもバイトをしたいと思いました。できれば最寄り駅で、朝の時間を活かしてはたらきたいと思っています」

――― 痴漢に間違われないか不安ということですが?

ときお「満員電車では、人に触れたりぶつかることが当たり前のようにあります。そのとき、立つ場所が悪いと痴漢に間違われないかとヒヤヒヤしたりします。ちょっと触れるだけでも不安なのに、朝のラッシュ時に乗客を押しこむ駅員バイトは、直に乗客の体に触れたりすると痴漢に間違われてしまうのではないかと不安になるのです」

鉄道会社に電話で、駅員バイトについて聞いてみることにしました

単刀直入に鉄道会社A社に聞いてみると、こんな回答が返ってきました。

A社担当者「駅員バイトさんが、痴漢に間違われる?おっしゃっている意味がよくわかりませんが、具体的に、どのようなタイミングで、でしょうか?」

――― 朝の通勤ラッシュ時、乗客を車内に押しこむときに間違われるケースがあるのではないか、と心配をする読者がいまして。

「そもそも最近は電車自体がそれほど混み合わないですからね、弊社の場合。質問の意図がよくわからないので、コメントすることはありません」

確かに、鉄道会社によって混み合うことが少ない場合もありそうです。そこで、気を取り直して、私自身が通学などでよく使う鉄道会社B社に電話をしてみることにしました。

B社担当者「なるほど、質問の意図はわかりました。そもそもですね“お客さまを押しこむ”などということはしていないのです。私たちは、あくまでも乗降のお手伝いをしているに過ぎません。電車の乗り降りに必要なお手伝いはしますが“押す”といった行為はしていません」

なるほど、両社の共通見解として“押してはいない”と考えていることがわかってきました。依頼者のときおさんが感じる、ホームで駅員バイトが乗客を“押す”行為は“乗車のお手伝い”であって“押しているのではない”という見解のようです。

しかしながら、お手伝いであっても、お客さまに触れ合う行為には違いありません。この回答では、ときおさんの心配は晴れないでしょう。そこでさらに別の鉄道会社C社に電話してみました。

すると、こちらは駅に直接問い合わせてよいとのこと。これまでは本社の広報部に電話していたので、これまでと違う展開です。そこで、混みあうことで有名なとある駅にかけてみることにしました。

ここで鉄道会社から、駅員バイトについて有力な証言が!

C社駅員「駅員バイトが痴漢に間違われることですか?ないない!ありませんよ!」

とても気さくで威勢のいい駅員さんが、以下のことを教えてくれました。

C社駅員「そもそも“乗客を押している”のは間違いで、車いすの方々に対してお手伝いさせていただいているのと同じように、一般のお客さまの乗降の補助をしているにすぎません。そしてお客さまのお体に直接手を触れることも基本的にありません。近年は混雑緩和のため電車の本数を増やす、路線を増やすなどの解決策を行っているため、(ときおさんが心配するような)乗客をぐいぐい車内に押しこめるということが、そもそも起こりにくくなっています。万が一、そのような“お手伝い”をせざるを得ない状況が起きたとしても、“お体に触れてよろしいですか?”などの確認をしてから“お手伝い”をするように指導しますし、それが当たり前になっています。ですから痴漢に間違われることは起こりえないし、これまでそのような話は聞いたことがないですよ!」

なるほど、有力な情報を得ることができました。「万が一の場合も、声をかけてから触れるから大丈夫」だそうです。ちなみに、駅員バイトは特殊な職種のため、研修がしっかりとあるそうです。これでずいぶんと調査結果は見えてきましたが、果たして駅員バイトとはどういうものなのか?最後に、調査過程で出会うことができた元駅員さん(正社員)にお話を聞いてみました。

元駅員「私は10年前に退職しましたが、10年前でも乗客を車内に押すということはありませんでしたよ。お客さまも、そこまで無理して乗るようなことはほとんどありません。なので、やはり痴漢に間違われるなんてことは、起こりえないと思います」

――― 駅員バイトとして大事なことは何でしょうか?

元駅員「社員が遂行する業務の妨げをしないことです。あまり知られていませんが、電車は運転手や車掌の判断ではなく、駅にいる社員の合図で初めて発車ができます。それを妨げたり、紛らわしい動きをしないように注意することが大事です。研修では、電車を運行する上での規則などもバイトさんに勉強してもらうはずですよ」

――― 駅員バイトの応募者は、やはり電車に興味のある人が多いのでしょうか?

元駅員「半分半分といったところでした。半分は電車が好きな人。もう半分は、家が近いとか、勤務時間の都合がいいとかでした。もちろん、まったく興味がないという人は少ないですね。大学生だと、1時限目には間に合いませんが、2時限目や3時限目からの授業には間に合うし、時給もいいからですかね」

――― やはり電車や駅に興味がないとシゴトをするのは難しいでしょうか?

元駅員「予備知識があろうとなかろうと、電車が好きだろうと好きじゃなかろうと、駅員バイトをする上ではあまり関係ないと思います。研修ではすべてのことをイチから教えるので、皆さんシゴトはちゃんとできるようになります。むしろ電車に思い入れがありすぎる人は、コミュニケーションを取るのが難しい場合がありました」

――― それは意外でした。実際、駅員バイトの人気はどうなのでしょうか?

元駅員「私がいたころは、倍率は3倍くらいでした。駅としては、ひとりでもバイトがほしいときはポスターを貼るのですが、応募がひとりということはないですからね。ちなみに、2月から4月の間は、大学生が就職などでバイトを辞めるタイミングなので募集をかけることが多いと思いますよ」

――― 最後に駅員バイトだからこそのエピソードがあれば教えてください。

元駅員「そうですね。あまりおもしろいエピソードはないのですが、しいて言えばほかのバイトと違って、社員とバイトでできる業務の差がしっかりとあることでしょうか。上下関係がしっかりしていることも大きな特徴かもしれません。お客さまの命を預かるシゴトですから、飲食店などに比べると、より真面目で“きっちり”を求められるシゴトなのかもしれないですね」

――― ありがとうございました。

学生探偵による[調査報告] File.03

学生探偵 / 永田紗也による報告

駅員バイトが痴漢に間違われることはまずないようです。そもそも乗客を車内に“押す”という行為がないことは意外でした。個人的には、ときどき押されている気もするのですが、テレビドラマやニュース映像でイメージがすりこまれている部分もあるのかもしれません。駅員バイトに求められるのは、電車の知識などではなくコミュニケーション能力や社員のかたの業務をいかにうまくサポートするかなどのようなので、気負いすることなく気軽に応募することができそうです

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