天職、見つけた!
今いる場所での頑張りは次につながるものなのか
一歩引いて自分を見てみよう
#08 [前編]占星術家
鏡 リュウジさん

プロフィール

鏡 リュウジ(かがみ・りゅうじ)

'68年生まれ。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了。
高校生の頃から雑誌に占いの連載を持ち、心理学を取り入れた占星術を日本に紹介した第一人者。
現在、テレビ、雑誌、サイトなど各方面で活躍。占星術にまつわる著書・翻訳書も多数。英国占星術協会、英国職業占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会常任理事。

鏡リュウジ公式サイト
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略歴

1978年

タロットカードと出会い占いに目覚める。

1983年
転機

ユングの心理学と出会い、占星術の心理学的アプローチに取り組み始める。
高校生で占いの連載コーナーの執筆もスタート。

1986年

国際基督教大学入学。

1996年
転機

研究者になる夢を断念し、占星術家になると決意する。


最近のニュース

『鏡リュウジオリジナルタロット』発売

公式モバイルサイト「鏡リュウジ恋占術」で使用しているイラストの原画(全て手描き)を、今回の為に改めて描き起こしたもの。サイトだけでは、表現し尽くせないパワーを、あなたの目と手で体感してください。
初心者の方でも楽しめるように、鏡リュウジさんの監修による詳しい解説書がついています。

『オリジナルタロットプレミアムBOX』

【数量限定】
オリジナルタロットプレミアムBOX
5,340円(税込)
【通常版】オリジナルタロット
3,360円(税込)
※どちらも解説書付きです。

オンラインショップ「Favori」

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影響を受けた言葉


「自分の射程距離を知る」
 

飲み仲間でもある友人から聞いた言葉です。今の自分ができることはどこまでで、どこまでならできるのか、つねに客観的に自分を見つめて自己プロデュースすることが大切だと思います。



TEXT:海野 幸 PHOTO:森 浩司

雑誌やサイトなどの占い記事で圧倒的な人気を誇る占星術家、鏡リュウジさん。
この道へ入ったきっかけは、研究者になる夢からのドロップアウトだったという。
はたしてその転機に何があったのか?

鏡 リュウジ

子供の頃になりたかったのは小鳥屋さん
最初はバイト感覚だった占いの仕事

 占いの世界と出会ったきっかけは、10歳の頃にたまたまタロットカードを買ったことです。子供の頃から、占いだけではなくて、オカルトとか魔女とか神話的なものすべてに興味がありました。ちょうどそういうものが世の中に紹介され始めた時期だったんですよね。いろいろ興味を持った中のひとつに占いもあった、という感じです。その頃から現在まで、神話的なものへの興味はずっと続いています。そういう意味では一生涯興味を持ち続けられるものに子供のときに出会えたんだと思いますね。
 でも当時は、もちろん将来占い師になりたいなんて思っていなくて、小鳥屋さんになりたかったんです(笑)。鳥が大好きでたくさん飼っていました。
 占星術の原稿は高校生の頃から書いていました。もともとは少女向けの雑誌の占いコーナーに投稿していて、よく採用されたんです。その投稿が最優秀賞をいただき、それをきっかけに編集部の方から占いの原稿を書いてみないかと声をかけていただいて、それから書き始めました。その頃も占星術家になるなんて全然考えていなかった。原稿を書くことは軽いアルバイト感覚でした。
 でも、ある雑誌で僕が書いた原稿を真っ向から否定されたことがあるんです。すごくビビりました(笑)。このとき、僕はバイト感覚で書いていたけれど、これで食べている人もいる、これは仕事なんだ、ということに気づきましたね。


鏡 リュウジ

「占いが好きな自分が嫌」という
自己矛盾の中で出会った心理学

 神話的なものにいろいろと触れているうちに占星術へ強く興味を持つようになったんですが、正直、「占いは好きだけど、占いが好きな自分は嫌い」という複雑な気持ちでした。だって占いって怪しいじゃないですか(笑)。だけどそんな矛盾があったからこそ、今まで占星術を続けてこられたんじゃないかとも思います。
 今、僕は心理学的なアプローチで占星術を紹介しているのですが、そもそも心理学と出会ったのは10代半ばの頃です。僕が関心をもったのは、自然科学的な心理学というよりも、心理学者のユングに代表される「無意識の心理学」(力動心理学)という特殊なジャンルでした。なぜかというと、オカルトに関する本を読んでいると、必ずユングが出てくるんです。知識人の中で占いやオカルトに正面から取り組んでいる人はユングだけなんですね。それでユングの心理学を勉強してみたら占いと同じだっていうことに気がつきました。
 ユングの心理学は無意識という考えがベースになっていて、たとえば子供の頃のこういう経験が無意識下で影響を与えているから今こういう行動に出る、といった解釈をするんです。でも無意識の話を証明することはできません。占星術は地域を越えて世界各地に共通して存在する神話がベースになっていますが、これも証明することはできない。同じなんですね。
 でも、ふたつの扱いは、片や占いは書店で趣味のコーナーに置かれ、片や心理学は学問として評価されている。それなら、占いと心理学を結びつけて紹介すれば、占いのことを怪しがらずにもっと納得してもらえるんじゃないかと思ったんです。それで占星術をしながら、心理学を研究する研究者になろうと、大学、大学院へと進みました。


鏡 リュウジ

研究者の道をドロップアウトして始まった
占星術家としての道

 大学生になってからも雑誌などに占いの原稿は書いていたし、初めての著書も出しました。でも、占星術家になるつもりはまったくありませんでした。学生時代はちょうどバブル期だったので、周囲の人はみんな金融業界に就職したんですよ。それで自分も銀行員のような堅い仕事に就くのが当たり前だと思い込んでいました。大学の研究者なら堅い仕事だし、心理学や占星術の研究もできるし、いいな、と。
 でも、大学の助手を務めていたときに心理学の解釈で指導教官ともめて、「ユングを取るか、私を取るか」みたいな話になったんですよ(苦笑)。それでユングを取ったんですが、そんなことなら大学の研究者にならなくてもいいや、と思ったんです。
 当時、占星術の仕事もすでにそれなりに収入があったし、他の仕事を探そうという気持ちも芽生えなかった。研究者の道をドロップアウトして、そのままこの仕事に入りました。占星術では28歳を成人と考えるのですが、30歳を前にして、自分にはもうこれしかできないと思ったんです。でも、占いの仕事は、むしろ就いてはいけない、堅い仕事に就かなくてはいけないとずっと思っていたから、「安易な道を選んだ自分はなんて意志の力が弱いんだろう」と思い悩みましたね。そのドロップアウトした、という挫折感は今もあります。
(後編に続く)

後編はこちら


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