天職、見つけた!
ただ漠然と興味を持つのではなく、求人情報を見てイメージを広げたり、
自分がここからどういう生活をしたいのか? というイメージ力を鍛えることも大切
#06 [前編]キャリアカウンセラー
藤井 佐和子さん

プロフィール

藤井 佐和子(ふじい・さわこ)

1968年3月生まれ。
大学卒業後、カメラメーカーに入社、海外営業部にて3年半従事した後、人材総合ビジネスを展開するパーソルキャリア株式会社(旧社名:株式会社インテリジェンス)に入社。

人材派遣、人材バンクのキャリアアドバイザーとして女性メインの転職サポートを実現する。今までにカウンセリングした女性の人数は延べ1万人。
現在は、個人向けのキャリアセミナーや法人の企業研修や講演活動など、フリーのコンサルタントとして幅広く活動。表面的なキャリア形成ではなく、ライフプランまで含めたより本質的な働き方を提唱。

著書に『朝、会社に行ける自分 養成講座』『10パーセント脱力生活 ココロ篇』、『自分らしいキャリアを見つけるために CD』『女性の転職・再就職パーフェクトガイド』など。

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略歴

1985年

1989年

大学時代はアルバイトにあけくれる。

1989年

新卒でカメラメーカーに入社。

1992年
転機

退職。それから約1年、適職探しのため派遣で短期で働くことに。

1994年

人材派遣会社に入社。結婚。

1999年

離婚。

2002年
転機

人材派遣会社を退職。キャリアカウンセラーとして独立。


最近のニュース

左:『履歴書・職務経歴書の書き方完全サポートブック』右:『朝、会社に行ける自分 養成講座』

左:『履歴書・職務経歴書の書き方完全サポートブック』
藤井 佐和子(新星出版社)
1,260円(税込)

右:『朝、会社に行ける自分 養成講座』
藤井 佐和子(ソーテック社)
1,500円(税込)


影響を受けた人

多忙な人材派遣会社で昼も夜もなく働いていた時の同僚たち。
忙しいなかで、人のことにも責任を持って見捨てなかったり、相手を成長させようと叱ったり、とても温かい人たちでした。
その後フリーになってみると、よけい彼らの温かさを実感します。今でも当時の後輩たちとはとっても仲がいいんですよ。



TEXT:田中 亜紀子 PHOTO:森 浩司

キャリアカウンセラーとして、悩める働く女性の側に立って支援を続ける藤井佐和子さん。
自分自身、大手企業でのOL経験があり、そこからやりたいことを探して悩んで活動してきた。
そして派遣会社で長く企業側とスタッフ側の両方のコーディネートをしてきた経験の両方を活かし、
上からではなく同じ視点に立って相談にのる。その姿勢が「この人なら!」という信頼を勝ち取り、
これまでカウンセリングでは1万人以上の方と出会い、企業研修など多くの活動も行なっている。
そんな彼女が公私に渡り、悩んで、道を開いてきた経験を語ってくれた。

藤井 佐和子

なんとなく就職した大手メーカー
「女の子」扱いに違和感があった

 今でこそ、大学生に向けて「自分のやりたいことを明確にして、ここでがんばりたい! と思える会社を見つけましょう」なんて話していますが(笑)、私自身の最初の就職は、なんとなく決めてしまいました。子ども時代も特にやりたいこともなく、学校も家も厳しかったので、レールに乗せられて運ばれてきた、という感じで…。また私が就職した時代は、まだまだいわゆる腰掛けの事務職として働く女の人が多かったんです。私も御多分にもれず。大学は英文科だったこともあり、ありがちですが「英語を使いたい」とカメラメーカーの海外営業部を希望したら、ラッキーにも採用してもらえたんです。
 当時はバブルだったので、みんな受けた会社からはいくつも内定が出る時代。カメラメーカーを志望したのは、自分自身、子供時代写真部だったのと、祖父の趣味で家に暗室があったため、カメラになじみがあったからです。それ以外、何をしたいかはさっぱりわからなかった。そうして就職したら、入った時から「あっ、違う!」と思ったんです。私は学生の時に、勉強よりもサークルよりもバイトが好きでした。アイスクリーム屋さんやコンビニ。特にマーケティング会社で社員のアシスタントをした時のイメージが強かったんです。そこでは男女のへだてもなくみんなが忙しく、夜中まで働いて「疲れた疲れた」と言いながらなんだか楽しそうで。仕事ってそういうものだと思ってた。ところが、就職先のカメラメーカーでは、私たちは会社の「女の子」扱い。やらせてくれる仕事も簡単で、私は欧米への輸出入の貿易の書類を作っていたのですが、もうお昼頃には終わっちゃうんです。
 私はヒマが嫌いなので、手が空くとすぐに「何かやらせてください」と申し出るのですが、周囲は「いいよ、いいよ、そんなにやらなくて」。残業になりそうになっても「女の子はこの時間に帰っていいから」と言われて。「私もっとできます」と言っても、いや、そんなにやってもらうことないから、と帰される日々が続いて…。大手でいい会社だったんですよ。上司も先輩も人は優しいし居心地はいいし、守ってもらえたし。でもやっぱり物足りない気持ちが強く、もう限界と3年目で辞めました。


藤井 佐和子

やりたいことを見つけるために
期間を限定して派遣でさまざまな職種に挑戦!

 当時は女性の退職というと、寿退社がほとんど。「もっとやりがいのある仕事がしたい」という私のような理由の転職はまだまだ少なかったんです。また、家が厳しかったので、辞めるのも大変でした。親族まで呼ばれて会議になって「そんなに苦労するように育てた覚えはない」とかいわれて(笑)。ただ私の意志が強かったので、結局は受け入れてくれました。よく「本当は辞めたいけど、親に反対されているから辞められない」という方がいますが、そういう方は自分の意志がそこまで強くないという気がします。周囲のせいにすることはいくらでもできる。その反対を押し切ること自体、やりたいことへの思いが強いということだと思います。
 私は退職したものの、やりたいことはまだわかりませんでした。以前のアルバイトと比較して就職先が「違う」ということはわかったんですが、何が違うのか明確にはわからなくて…。もうちょっとがんばりたいけど、何をがんばればいいかわからない。そんな状態だったので、とりあえず派遣会社に何社も登録しました。1年間と期限を決めて、いろんな仕事を短期的にやって、自分は何にやりがいを感じるのか、どんな仕事が合うのか? を見つける期間にしようと思ったんです。だから派遣先のオファーは、自分に向いているから紹介されるんだと信じて、どんなオファーも断らずに受けました。短期なので受付などピンチヒッターも多かったです。経験があるのでメーカーの貿易事務の仕事をふられたこともありますが、そこでは「やっぱり違う」と逆に再確認しました。
 いろいろやってみた結論は、忙しく体を動かしたり、人とたくさんコミュニケーションをとったりとか、そういうことが自分のやりたいことなんだなぁ、ということ。それが見えてきた頃、立ち上がったばかりの小さな人材派遣会社への派遣が決まりました。結局、ここに私は長い間、お世話になることになったのです。


藤井 佐和子

多忙な会社が楽しくて
結婚との両立に疲れはてる

 そこでの仕事は採用代行だったのですが、立ち上がったばかりの会社なのでとにかく忙しく、泊りがけの人もたくさんいたりして活気があって楽しかったんですね。そして私が設定した1年間の終わりが近づき、そろそろ正社員として働く場所を探そう、と思った頃、その会社から、派遣事業部を立ち上げるので正社員にならないか? とオファーをいただいたんです。働きぶりを評価してくださったんですね。私は、手が空くと「何かやることないですか?」と聞いて回ったり、データを社員の方が使いやすいようにまとめたりと、いろいろやってたんです。そこには派遣が40人ほどいたんですが、手が空いたら雑誌を読んでいてもいい、と言われていたので、がりがり働いていた私は目立っていたんでしょう(笑)。
 もちろんその会社は好きだったので、オファーはすぐ受けたかったのですが、実はちょうど結婚が近づいていました。相手もそのご家族も、そしてうちの両親もとても保守的なので、仕事はしてもいいけど、ハードな会社はやめてほしい、と言われて。通常でもものすごく忙しい会社なのに、立ち上げなんていったらどうなるかわかっていたので、一度は断りました。でもどうしてもその会社で働きたかったので、会社に相談してみると、夕方6時に帰ってもいい、という条件で、入社させてくれたんです。とはいってもやっぱり入社したら、そうはいかず(笑)。みなさんのように夜中まで、ということはなくても、結局8時9時には当然なるわけです。でも私はそこで働くことが楽しくて楽しくて。結婚前のドレス選びやエステなど、女性ならうれしいはずの行事も面倒くさくておざなりになって…。結婚してもその調子だったから、当然、夫やうちの両親から、「派遣に戻りなさい」と機会があるたびに言われました。
 そんな状況で、どこか私もがんじがらめになっていたところがありました。実家でほっとしたくても怒られ、気が休まる場所がなくて。私にとっては会社が居場所であり、毎日行くことが楽しくて仕方なかったんです。だから半ばむきになって、仕事も家事も完全に両立しました。ご飯も毎日作ってたんですよ。今になると私も「手伝ってくれ」と頼めばよかったと思いますけどね。そんな状況で体が悲鳴をあげたのか、過呼吸になり、もうこれは無理、と離婚を考えはじめました。(後編につづく)

後編はこちら


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