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ナナムジカメイン写真

“月の女神”の名前を持つアーティスト、ナナムジカ。衝撃のデビューを果たした後、独特の音楽世界を築き、ロングヒット、ベストヒットを快調に重ね続けている。その彼女たちのデビューの礎となった“夢のかけはし”はどんな橋だったのだろうか——。

「アルバイトがあったから」「アルバイトが教えてくれた初めての“社会”」

ナナムジカ

西島(以下・西):「初めてのアルバイトは高校生のとき。私たち2人で面接に出かけたんですよ」

松藤(以下・松):「やっぱり不安だし、ドキドキするじゃないですか。だから2人で。最初に行ったのは、スーパーの試食販売の面接でした」

西:「どんな服着て行ったらいいのかな、履歴書はどう書くのかなって思って、雑誌に書いてあることをしっかり読んで出かけて(笑)。でも、子どもみたいな高校生2人が会社に行くのって、見た感じちょっとおかしいじゃないですか。もうすっごく緊張していたことを覚えていますね。面接の会場にいる人たちは全員年上に見えるし、自分たちが最年少に思えてきて、心細い、そんな空気。でも、そこの面接でいきなり売り子さんの練習みたいなことをやらされたんですよ(笑)。『じゃあ、そこに立って、はい、コレ言ってみて』って。『こちら麦芽何パーセントで、プリン体何パーセントになっております。こちらの…』……で、なんだっけ?」

松:「『麦の香り』(笑)」

西:「そうそう。最初のバイト面接だったからよく覚えてるよね(笑)」

松:「私も同じ練習みたいなことをさせられました。面接官の方が部屋の角に立って、私はもう一方の角に立たされて『麦100%、モルツだけです』(笑)。恥ずかしかった……」

ナナムジカ

西:「でも、今まで見ていた世界とは違う、違うコトだっていう意識があって、すごく楽しかったんです。初めて踏み出す社会の第一歩。あの新鮮な感じは忘れられないな」

松:「登録制のアルバイトだったんです。音楽高校だったので、楽器の音や声を出せる時間はずっと練習だし、寮住まいで門限もあったし、普通のアルバイトができなくて。週に3、4日はアルバイトに入ってほしいって言われてもなかなか入れないんです。私たちは音楽が第一だったので、アルバイトは試験が終わったときや、ちょっとお金が必要なときだけ。だから登録制の短期のアルバイトを選んだんです」

西:「スーパーでの試食用に桃を切ったり、ハガキの宛名書きを丸2日間続けたり。今ならパソコンでやるんでしょうけど、当時は手書きだけ。引っ越しのアルバイトもあったし、いろいろなアルバイトでたくさんの人たちと会うことができたのはよかったなって思う。その時は音楽をやっている人としか関わることがなかったから、『どこそこでアルバイトしたことがある』とか聞くと、“ちょー気になる!”って話を聞くんです。こういうバイトがあるよって一緒にバイトしているお姉さん、お兄さんがいっぱい話してくれるから、こうやって仕事覚えるんだ、いろんな仕事があるんだって社会勉強ができたよね。アルバイトで得るのはお金だけじゃないんだって思いました」

松:「初めてお給料をいただいたときはすごくうれしかったことを覚えています。社会を見て勉強ができて、お金ももらえて、私たち、アルバイトで社会を知ることができたんだなぁって思います」

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プロフィール

ナナムジカ


西島梢(左・Vo)/松島由里(右・Pf.Cho)…ともに1982年生まれ。音楽の勉強のために東京の高校に通い、その寮で出会った2人。大学在学中に『Ta-lila〜僕を見つけて』でメジャーデビュー。デビューシングルは異例のロングヒットを記録。その後もドラマ主題歌やCMソングなど、数々の楽曲を発表。2007年6月から8月にかけて、3カ月連続のシングルリリース。『彼方』はそのラストを飾る渾身の一曲。

インフォメーション

ナナムジカの“音楽の冒険”は自然体最新シングル『彼方』

 ドラマ『女帝』の主題歌として、8月29日にリリースされた最新シングル『彼方』(かなた)。これは今までのナナムジカファンにとってはちょっと驚きの一枚。しかし、「三枚連続の書き下ろしリリースの中では、私たちのなかでは一番違和感のないのが『彼方』だった」と松藤。
「『愛の歌』『Sora』『彼方』の3カ月連続リリースの中で、前の2曲のほうが挑戦だったと思います」
「その意味ではやりたいことができたし、ナナムジカらしい挑戦ができた」と西島も言う。
「今までは中性的なイメージの歌ばかりでしたけど、『彼方』は初めての女性視点の歌。私、あまり女性っぽくなるのがイヤだったんですけど、若い女性の方が見るドラマで、そういう人たちの“明日の活力”になれたらと思って。それに、私たちも24歳で、周りには結婚する人たちも増えてきて、24歳って女性が女性として生きるひとつの区切りなのかなって思ったんです。そういうことを考えるいい機会でした」
 強い曲調で、前に出てくるメロディーと歌は、今までのナナムジカにはないスタイルだ。しかし、その背後には、またひとつ成長した2人の姿が見え隠れしている。

『彼方』
WPCL-10426 1200円(税込)

撮影:三橋令嗣

取材協力:TOKYO HEADLINE

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