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秦 基博メイン写真

夢を追いかけるからアルバイト。アルバイトという名の虹の橋を渡って夢を追う。そんな若い才能が登場する『夢のかけはし』。第3回の今回は、“鋼と硝子でできた声”を持つ大型新人、秦 基博が登場。

バイトがあったから〜コンビニスタッフ〜

「初めて本格的にしたアルバイトというのがオークション番組を衛星放送で流している会社で、深夜にモニターをチェックするというバイトだったんです(笑)。

大学に入ってから友達のツテで始めたんですけど、ひたすらに何時間もテレビのモニターをチェックするわけです。パソコンで流しているので、画面の枠に合っていないところに文字が出たり、たまにエラーが出るんですよ。チェック中、そういうエラーが出ると、決して自分で何かするわけじゃなくて『すみません、エラーが出ました』って電話(笑)。

そうしたら近くに住んでいる社員さんがタクシーで駆けつけてくるんです。夜の7時から2時くらいまでの放送のチェックをして始発までと、拘束時間も長かったので割とお給料も良くて、半年くらいやりました。

次にやったのが、これも先輩の紹介だったんですけど、絵画の搬入出のアルバイト。これもおもしろいアルバイトで、美術商や画廊同士のオークション会場、魚で言えば築地みたいな (笑)、そんなところで美術品を降ろしたり積んだりのアルバイトなんです。

月に10回くらいあって、現地集合して美術専門の運送業者さんのトラックが運んでくる絵画を降ろして箱から出してオークションして。1000点くらいあるんですよ。絵画だけじゃなくて、屏風や陶器なんかもあって、値段もピンキリ。値段の感覚が麻痺しちゃいそうですけど(笑)。それで、オークションやって売れたら箱にしまって、ま、売れなくても箱にしまって(笑)、売れたのは箱に送り先を書いてまたトラックに積む、そんなアルバイトをひたすらやってました。大学2、3年のころからデビュー前までだから…3、4年かな。

だいたい朝9時に集合して夕方6時まで。長時間立ちっぱなしですし、すごいホコリの中の肉体労働ですから肉体的には辛い。

ですけど、何年もやっていて慣れてくると、どこで頑張って、どこで力を抜いたらいいかが分かってくるんです。朝は搬入してくる画廊の方も気合が入っているので、ガンガンガンガンやるんです。

だからそこはベテラン勢が頑張ってやる。昼過ぎになってくると仕事も減ってのんびりしてくるのでベテラン以外の子でも大丈夫になるので、ちょっとホッとできるようになってました。 事のやり方が分かってくるっていうことですよね。慣れると、ここでああしてこうして、っていうのが分かってくるじゃないですか。仕事の筋道を立てて一歩下がってみるというか。没頭しすぎると逆に見えなくなるというのもありますしね。こういうところは、音楽には直接関係ないですが、アルバイト以外のことにも生かせることだったのかな、と思います。

それに、このバイト、日付で決まってる仕事だったんですよ。8日はここでこのオークション、何日はここ、月末はこれ、というように。だからライブの予定を入れやすかったんです。だから、僕みたいに音楽やってる人や劇団やってる人、時間の融通を利かせたい人が結構いましたね」


プロフィール

秦 基博(はた もとひろ)


1980年10月11日生まれ。宮崎生まれの横浜育ち。2006年7月『Augusta Camp 2006』のオープニングアクトに登場し注目を集める。2006年11月8日デビューシングル『シンクロ』をリリース。“鋼と硝子でできた声”と呼ばれる透明感と柔らかさにあふれた歌声で“心”を切々と歌う。

インフォメーション

秦 基博『鱗(うろこ)』


秦 基博
セカンドシングル『鱗(うろこ)』
(左:初回DVD付き限定版 右:通常版)
6.6.OUT

小学校からギターを握り、作詞作曲も始めていたという秦。高校時代にはコンスタントに作詞作曲を始めた。しかし、それはあくまでも「自分のため」の作詞作曲だったという。「人に聞かせるっていう発想が全然なかったんですね。自分が気持ちいい、っていう感覚で作っているので人に伝わるものじゃなかった」。


  それが変わったのが、高校卒業後の春休みに立った初めてのオリジナルソングのステージ。「最初は緊張もしたけど、ライブハウスの閉ざされた空間で自分を表現して聞いてくれる人がいるのが気持ちよかった」という。


  しかし、そこには歯がゆさもあった。
「聞いてくれる人がいるのに、伝わらないんです。それでなんで伝わらないんだろう、もっと伝えたい、という気持ちが強くなってきて。それはそうですよね、自分のイメージの中から断片的な言葉を選んでも、自分には分かるけど、聞いてる人には分からない。(出演した)ライブハウスのオーナーさんが、“曲っていうのは、声に出して歌った瞬間から、聞いた人のものになる”って仰っていて、最初は分からなかったんですけど、もっと伝えたいって思うようになって、その言葉の意味が分かってきたんです。それから曲の作り方も変わったし、言葉の選び方も変わったし」


  長い年月熟成されてきた音と言葉が奔流となってあふれ出してきた。“鋼と硝子でできた声”を持つ男が、満を持して贈るセカンドシングルには、切ないばかりの“伝えたい”という思いが詰まっている。胸に迫る切なくも強い『鱗(うろこ)』、初夏必聴の1枚だ。

 

初回DVD付き限定版:AUCK19927〜8 1575円(税込)通常版:AUCK19019 1260円(税込)

スタイリスト:TAKAO(angle)
ヘアメイク:AKINO(3rd)
撮影:三橋令嗣

取材協力:TOKYO HEADLINE

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