松井玲奈

RENA MATSUI
役者

自分の殻をどこまで破れるか。 もっともっと突き抜けたいです

役者・松井玲奈の活躍が目覚ましい。数々のドラマ・舞台に出演し、着実に演技と存在感を磨き上げている。トレードマークの長い黒髪を、金髪ボブにして驚かせたのは、映画の役づくりのためだった。可憐さを封印し泥くささを選び、語るより多くをしたためて、演技者としてのステージに立ち続ける。

飯塚監督、
もう1回やらせてください!

映画『笑う招き猫』のお話をいただいたときの率直な感想は、「脚本はすごくおもしろい。でも自分の殻を破って女性芸人になりきれるだろうか」という不安でした。しかも、あろうことか私はボケ担当です。さらにハードルが高い!相方役のツッコミ担当は清水富美加ちゃん。率先しておもしろいことをやる姿勢があり、努力の人でもあります。2人で最初に決めたのは「撮影は3週間。毎日5回、漫才の練習をしてやりきろう」ということでした。言葉どおり、休憩時間中も常に会話をして、相手が絡んでくることをうまく拾い「1が来たら2で返す」つもりでトレーニングを重ねました。飯塚健監督は愛ある叱咤激励をたくさんしてくださいました。劇中に私が演じるアカコが履歴書を書くシーンがあるんです。そこでアカコになりきって自己アピールを書いてみろ、とおっしゃる。意図は「アカコの人生を生きてみろ」ということ。いつ、何がきっかけで、漫才を目指すようになったのか――。誰に憧れ、アカコのゴールはどこなのか――。それらを深堀りすることが役づくりに活きてくるんですね。撮影中は「自分はなんてつまんない人間なんだろう……」と心がボキボキ折れることばかり。その場でできることを必死にやって自宅で思い切りふさぎ込む毎日でした。でも撮影は翌日もやってくるわけですから、行動するしかない。自宅でナイツさんの漫才動画を見て「おもしろい」とはなんなのかを自分なりに研究しました。また、撮影の合間を縫って舞台『RED』を観に行ったのも良かった。海外の俳優さんは良い意味でオーバ―リアクションですよね。彼らの仕草やリアクションがとても参考になったんです。映画の本編ではご覧いただけないんですが、富美加ちゃんと2人で考えたネタもたくさん撮影したんです。撮影期間中のプロセスがあったからこそシンクロできたし、一番の見せ場である漫才のシーンであそこまでの境地にたどり着けたのだと思います。実は一度飯塚監督から「OK」をいただけたのですが、どうしても納得ができず泣きの1回で限界に挑戦しました。私たちの本気を、笑いながらご覧いただきたいです。

最後列からトップ5へ
スピード出世の理由とは

松井玲奈といえば、アイドルのイメージが強いかもしれません。実は芸能界に入ったきっかけは役者を目指すためでした。ずっとAKB48が大好きで、自分たちの「城」である劇場を持ち、みんないろんな夢を持ちながら、毎日お客さまの前に立てる環境は魅力的でした。あるとき、名古屋に姉妹グループができるというニュースを聞き、ついにチャンスが来た!と。でも、世の中甘くないですから(笑)、最初は最後列からのスタートだったんです。ステージで3列目より後ろの子たちは、人と人の「スキマ5センチ」から自分の存在をアピールをしなくてはなりません。唯一、お客さまに注目していただけるのは自己紹介タイムのみ。これを個性的な内容にすれば、振り向いてもらえるかもしれない……と考えました。ライブ以外でも自分なりにできることを探しました。たとえばブログをたくさん書くことで、自分のことをもっと知ってもらえるはずです。地道な行動の積み重ねで、2014年の総選挙で5位に入賞し、たくさんの皆さんに応援してもらえるようになりました。グループの卒業を決意したのは、衝動的な気持ちからではありません。自分の年齢を考えたときに、お芝居を本気でしたい気持ちが徐々に膨らんだからなんです。でも実際に卒業してみると……、想像以上に大変でした。アイドル時代も役者のおシゴトはしていたはずなのに、「帰る場所がない」というだけで、不安にかられました。AKB48グループ出身者である私は、お芝居1本で勝負されている皆さんからすれば、下積みをせず「一足飛び」しているように見えるかもしれません。事実、応援してくださるファンの皆さんのおかげで、座長に抜擢していただける面があることも否定できません。でも全身全霊をかけてシゴトと向き合っているのは私も同じです。今は恵まれた環境に心から感謝して、最大限の努力をすることだと思っています。

現在25歳。そろそろ結婚を
考える時期なのかな?

私は寡黙なタイプで、話すより書いて伝えることを得意としています。昔からたくさん本を読み、学生時代にハマったのは西尾維新さんの『戯言シリーズ』でした。巧みな言葉遊びと、それらが物語のカギになるカラクリがたまらなく好き。いつかそんな書き手になりたいという夢もあるから、ブログで想いを綴るのはライフワークでありトレーニングでもあります。最近は、雑誌『小説現代』で書評を担当させていただけるようになり、励みになっています。行動の積み重ねって本当に大切なんですよね。現在25歳。アラサー女子を演じる歳になりました。将来を不安に感じたり、人によってはそろそろ結婚を考えるタイミングなのかもしれません。輪郭はボンヤリしているものの、私もひとりの女性として、どう生き抜くべきか考えることがあります。だからなのか挑戦したいのは、「ラブコメ」(笑)これまで出演したコメディ作品は屈折した恋愛や偏愛の役柄が多かったので、キュンキュンする王道なラブストーリーを演じてみたいです。……こんなふうに、夢ややりたいことはできるだけ具体的に口に出したほうが叶いやすい気がしています。新たなご縁をたくさんいただいている今、みなさんの期待に応えられるよう精一杯頑張ります!

シゴトノキメゴト シゴトノキメゴト

手づくりの台本カバー
ファンのかたからいただいた台本カバーが必需品です。愛犬と私の大好きな『星の王子さま』の言葉が刺繍されている凝った作品です。布の上にビニールがかかっているので、お風呂で台本を読み込んでも平気なのもお気に入り。ファンのかたの応援を忘れないためにも、手放せません。 2017 March 松井玲奈

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