竜星涼

RYO RYUSEI
俳優

年々、演じることにストイックになっています それは楽しくもあり苦しい作業でもあるんです

2010年、俳優デビューを果たし、ドラマに映画に活躍が目覚ましい、竜星涼。特に今年は、骨太な演技を見せた『シマウマ』、難病を患う孤独な青年を繊細に演じた『泣き虫ピエロの結婚式』など、主演映画が次々と公開される。「最注目若手俳優」の呼び声が高い23歳の本音とは――。

難病患者を演じる重責が
かえってパワーに

映画『泣き虫ピエロの結婚式』は、実話を基に描かれた作品です。若くして腎臓病を患い、人工透析を週に3回受けなくてはならない難病患者の役を演じました。原作を読んだときは、「感動」という言葉ではとても言い表せないほど、心を動かされました。だからこそ、実際に人工透析を受けている皆さんに「現実はそんな甘いもんじゃない!」と失望させてしまわぬよう、誠心誠意、心を込めて演じました。僕が演じる秋山陽介は、人工透析患者であることが人物像の「核」となります。そこを理解しないことには、陽介を演じることはできない……。撮影前に、どのような症状なのかを医師や医療関係者のかたへ取材をさせていただきました。患者さんたちは、週に3度も病院に通い続けなくては命の保証がないのですから、常にシビアな状況に身を置かれています。それがどれほど大変なことなのか、少しでも体感できるよう、天気が悪くても、体が疲れていても、決められた日時での「通院」を、自宅近くの透析病院に週3回時間帯を決めて通ってみて、理解を深めていきました。陽介の病を受け入れ、妻になってくれたのは、志田未来ちゃん演じる佳奈美でした。未来ちゃんとは、これまでに2度ほど共演し、気心知れた仲です。1度目、2度目の作品では、どちらかが片思いという設定でしたので、今作で晴れて夫婦になれて本当にシアワセです(笑)御法川修監督からは「これまでの作品にはない、竜星さんの表情を引き出したい」と言っていただき映画『マイ・プライベート・アイダホ』のリバー・フェニックスのように演じて欲しいとリクエストされました! 映画でのリバーの儚さ、危うさは僕の演じる陽介と共通するかも……と思いましたし、僕はリバーの大ファンでもあるので、監督が僕と照らし合わせてリバーの名前をあげてくれたことが、うれしかったですね。この役は、夫婦の純愛を表現したものでもあるし、僕は若者代表として、腎臓病の恐ろしさや人工透析の大変さを啓蒙する役目を担っていると思っています。陽介の姿を通して、広くメッセージを発信できればと、心から願います。

「目隠しゲーム」で
演者同士が急接近!

役者のすごいところは、会って間もない人と、いきなりラブシーンをしたり結婚したり、親友になったりするところ。普通の生活じゃ考えられないですよね。正直言うと、僕は役に没頭するために、たとえば親友役の役者さんとは、事前にコミュニケーションを取りたいタイプ。毎日連絡するとか、密なおつきあいがしたいんですが、夫婦役や恋人役の女性が相手だと、そうはいかないですよね。泣き虫ピエロ』では、監督が気を遣ってくださって、撮影前に『目隠しゲーム』なるレクリエーションを企画してくださいました。主要メンバーである志田未来ちゃんと新木優子ちゃんと3人のうち2人がペアになって、片方が目隠しし、目隠ししてないもう片方が、言葉をかけながらコミュニケーションをとるというゲームです。暗闇の中、相手に身体をゆだねることで、信頼関係を強めることが目的なのですが、これを機に演者同士の距離がぐっと近付いたように思いました。撮影期間は10日間でしたが、未来ちゃんはもちろん、優子ちゃんともすぐに打ち解けて、その関係性が演技にも反映されていると思います。……というのは良い例で、これまでドラマ、映画といろんな現場を体験させていただきましたが、初共演の皆さんと、どうコミュニケーションをとればいいのか、いつも考えあぐねてしまいます。ドラマ『ごめんね青春!』のような学園ものは、同世代の演者が一堂に会するので、自分の立ち位置に困るんですよね。そんなときは、様子をうかがいながら、ムードメーカーの役割を買って出ることも少なくないんです。僕は特別社交的な人間ではないけれど、現場を盛り上げて良い作品をつくりたいという思いは人一倍強いようです。たまにそういうのがシンドクなるときもあるんですが……(笑)

「竜星」ならコレという
イメージはなくていい

前回『an』の表紙をやってから、早いもので2年が経ちます。いろいろな役を演じさせてもらえているのは、ありがたいことです。キャラ立ちしている俳優さんは素敵です。でも僕は、どんな役にもスッと入っていける、真っ白な役者でいたいんです。だから「竜星ならコレだよね」というイメージを持たれたくないんです。そういう意味では、5月に公開された映画『シマウマ』では、新しい自分に出会えた感触がありました。血まみれの残虐シーン連発の問題作で、裏社会に墜ちていく主人公を演じるのは新鮮であり、興奮で体が震えたほどです。最近はいくらセリフがかっこよくても、自分のものになっていないと、観ているかたに伝わらない、と思うようになりました。キラキラしている少女漫画が原作だろうが『シマウマ』のようにバイオレンス色が強いものであろうが、どこかに現実味があり、キャラクターに共感できるポイントが必ずあるんですよね。その役柄の人間味だったり、弱さに触れられたときに、初めて自分の言葉としてセリフが「生きて」くる気がしています。その境地にたどり着くためには、なんといっても事前準備が必要です。僕は臆病なところがあるので、役と向き合うための時間はしっかり用意したいし、できることがあれば、取材でもなんでもやっておきたいタイプ。2年前より、役づくりにストイックになっているかもしれません。楽しくもあり苦しい作業ですが、用意周到で挑むことは自信にもつながります。今後も役者道を突き進んでいきますが、大きな意味での表現者として、スキルを磨いていきたいです。ファッションが大好きですから、モデルのシゴトや雑誌のシゴト、すべての要素がつながって、また新しい「竜星涼」へと成長していけたら、こんなにうれしいことはありません。

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