佐野 岳

Gaku Sano
俳優

逃げたり甘えたりの日々はもういらない つらく厳しい道を進むことで つかめるものが、きっとある

「イケメンの登竜門」のコンテストでグランプリを受賞、「若手俳優の登竜門」の『仮面ライダー』の主役に抜擢。芝居以外にも、抜群の身体能力でスポーツ番組でも活躍中の俳優・佐野岳、デビューから5年が経った。順風満帆に見えるキャリアだが、少年のような笑顔からは想像できないほど、迷い逃げていた時期があったという。悩み、考え、乗り越えた末、佐野岳は、逃げ道を断った。これからは挑戦し続けるのみ。振り切った佐野岳の、これからの大躍進の証言者となろう。

寺尾聰さんに心を奪われた
最高の環境で芝居してます

ドラマ『仰げば尊し』では不良グループのひとり、桑田勇治役を演じています。勇治は「おしゃれ番長」的な風貌で軽く見えますが、グループの中で最も仲間想いで、沈んだ空気を感じたら率先して明るくするような優しいヤツです。撮影の最初の段階で、監督から「おちゃらけた雰囲気で重い空気を変えようというシーンなのに、セリフ(言いかた)が冷たい。勇治の優しさが伝わらない」というダメを出されました。この言葉は僕自身にとって大きな気づきとなりました。これまでの人生を振り返ってみると、僕は人に対して甘えてばかり、人の気持ちに寄り添ったり、誰かのために何かをしようと考えたことがなかったんです。どう考えても一大事! 僕自身が優しくない人間だったとしたら、勇治役を演じることができないし、今後、役者としての幅も狭くなってしまうに決まっています。ですからその後は、プライベートでも「優しさ」をテーマに、人のことを気遣う意識を持つようにしました。まずは、ドラマで一緒に過ごしている4人の仲間たちのケアをすること。誰かが落ち込んでいるような雰囲気だったら、積極的に声をかけるようにしています。でも、慣れないことを、しかも迷いながらやっているので「もしかしたら俺、ちょっと気持ち悪い?」と思うことも多々(苦笑) 失敗や反省を繰り返しながら、最終回まで、役と一緒に僕自身も成長していきたいと思っています。『仰げば尊し』は、寺尾聰さんが28年ぶりに「日曜劇場」で主演を務めるということでも話題です。もちろん僕は寺尾さんとは初共演。寺尾さんは……もう、かっこよすぎ! メンバー全員が最初から一気に心を奪われてしまいました!撮影に入る前に、寺尾さんは僕らに向かって「現場が始まったらキャリアや年齢は関係ない。同じ位置からよーいドンでスタートして、誰が一番輝けるかが大事だ。迷ったときには俺に何でも聞いて!」という言葉をかけてくださいました。その言葉を聞いたあとは、生徒役の僕ら全員、胸に手を当てて、しばらく感動に浸ってしまいました……。そのあと、楽屋に戻りYouTubeで『ルビーの指環』をみんなで聴きながら「マジ、かっけ~な!」と大興奮。寺尾さんを殴るシーンでは思わず「お前ぇ、寺尾さんに何やってんだよ!」と仲裁に入りそうになるくらいハートをわしづかみにされてしまいました。熱い仲間と、カッコいい役者の先輩。こんな素晴らしい環境に身を置けていることは、本当にしあわせです。

お寺で15日間の修行
座禅で涙があふれた瞬間

『仮面ライダー鎧武/ガイム』が終わったころ、シゴトから逃げている時期がありました。課題がたくさんあって大切な時期というのに、自分に甘く「なんとかなるだろう」と人に甘えてばかり。ぼんやりと毎日を過ごしていたら、それを事務所の社長に見破られてしまいました。そして「いつも逃げ道ばかりを進んでいったら役者としても、人としてもダメになるぞ」と怒られました。そして2015年春、禅寺で15日間の修行をすることを課せられたんです。お寺では、朝5時に起床、座禅を組み、細かい決まりを守りながら食事、自分が使った食器ももちろん自分で洗い、食事が終わると寺の掃除をしたり、竹を刈ったり、時間があればランニングもしましたが、座禅を中心に、規則正しい生活をしながら、毎日和尚さんの説法を聞いて過ごしました。テレビや携帯を断っての15日の間には、10時間ずっと座禅を組み続けるという1日もありました。僕はじっとしていることが元から苦手で、座禅を組むのは大変な苦痛でした。10時間は本当に、本当につらかった。でも、きつい、つらいと思いながらもなんとか10時間の座禅を終えることができました。そのあと和尚さんから「あと2時間だけ、夜の座禅を行います。やりたい人だけどうぞ。強制参加じゃありません」と言われました。どう考えても嫌だ!と心では思っているのに、自分の体が勝手に、手を挙げていたんです……。さらに2時間の座禅に挑戦、もちろん苦痛が伴う2時間のはずです。それまでなら最初から「つらい」とわかっていることなんか絶対にやらなかったのに、こんなにつらい、とわかっていることを自分が選んでいることに驚きました。いろんな気持ちがこみ上げて、追加の2時間の座禅をやりきったその瞬間、涙があふれて、止まりませんでした。

すべてを捧げる覚悟!
舞台、やりきります!

修行をやりきったあとには、つらいことから逃げるという気持ちが消え、たくさんのことに挑戦していきたいという気持ちが生まれました。大きな挑戦に対して「これをやり切ったら、どんな自分が待っているんだろう」とワクワクする気持ちが芽生えてきたんです。2016年11月に「シアターコクーン」で開演する舞台『メトロポリス』へ出演することが決まりました。演出の串田和美さんに「動ける俳優」としてオーディションをしていただき、狭い会場でバク転やバク宙を披露。「できることはなんでもやります」とアピールしました。キャストは、松たか子さんや森山未來さんをはじめ錚々たるメンバーで、僕は出演者の中では最年少です。日本の演劇界を代表する演出家と出演者の中で、その一員として舞台に立てるというのは、本当に光栄です。こんなチャンスを活かさないなんてバカです、僕のすべてを捧げる勢いで、全身全霊で取り組みます。

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