木南晴夏

Haruka Kinami
女優

周りからの「目」が変わったとき 求められるままに 自然に、柔軟に、対応できるよう 日々を過ごしています

コミカルなキャラクターから、知的な大人の女性まで、ありとあらゆる役柄を器用に演じわけ、作品に絶妙なスパイスを加える女優、木南晴夏。くるくる変化する表情に、豊かな表現力を持った個性派。彼女が織りなす独特の空気感の虜になっている人も多いだろう。デビューから15年。31歳になった女優は、彼女だからこそ成し得る、自分の道を突き進む。

30歳を機に意識を変え
知的な役にもチャレンジ

昨年、30歳になりました。世の中では節目といわれる年齢を迎え、友だちから「30歳になったからって、急に人間性や性格は変わらないよ。でも、周りはこの人は30歳、大人なんだという目で見るようになるから、変わらないといけない」という言葉をもらいました。なるほど、その通りだなと思いました。「別に変わらないし……」と思っていれば、サラッと過ぎてしまうことですが、それじゃなんだかもったいないですよね。特別に何かができるわけではありませんが、大人として変化していこうという意識を持ちながら過ごしました。シゴトに対しても年齢を機に「大人っぽい役」に挑戦したいと思うようにもなりました。今までは、後輩や新人、ちょっとキャピキャピした役が多かったので、これからは知的な役もいただけるようになりたいですね。わかりやすい印象を持ってもらうために、まずは髪型を変えてみました。美容室で「医師や弁護士っぽい髪型にしてください」とリクエストして(笑)おでこを出したショートの髪型にしましたよ。そのおかげかわかりませんが、BSプレミアムで放送された『最後のレストラン』で「歴女」の役をいただくことができました。そのときは「知的な役、きた~!」とテンションが上がりましたね。しかも初めての説明ゼリフも経験いたしました。ただ私自身、歴史が苦手分野で、セリフを覚えるのはひと苦労。頭の中に情景が浮かばないとセリフが出てこないので、「?」な箇所は、いちいち調べて理解しました。たとえばセリフに「クレオパトラ」と出てきたら、クレオパトラの生涯を勉強して理解する……というような繰り返し。同時に歴史の勉強もできた貴重な経験になりました。

やりたいのはヒロイン
「親友役常連」時代

シゴトに対して「新鮮さ」を大切にするのは、20代のころからのテーマです。自分が新鮮な気持ちであることはもちろんですが、見てくださる人にも、いつでも新鮮なモノを届けられるようにしたい。そのためにどの現場でも「今日は初ドラマだ」「今日が舞台の初日だ」と自分自身に言い聞かせるようにしています。新人の俳優さんの演技を見るのも刺激になります。未熟な演技だったとしても、新人だからこその「熱」が演技を通して伝わるし、私なら絶対に思いつかないようなチャレンジをする姿を目の当たりにすると、私自身もフレッシュな気持ちに立ち返ることができるんです。自分の新人時代を思い出すと……ヘタっピでしたね(笑)そのくせ、できる振りをすることには長たけていたような気がします。演技のシゴトをいただく前に、事務所で演技レッスンを受けていたことが影響しているとも思うのですが、身内ばかりの中で演技をしていて「目立ったほうがいい」「笑いを取ったほうがいい」という気持ちが自然に芽生えてしまったようです。それが癖になり、新人時代はオーディションでも、とにかく「目立ち」に走っていました。よって、ヒロインのオーディションを受けに行っているのに、ヒロインの横にいるアクの強い友人役になってしまう。私だってヒロインをやりたいのに、どうして友だち役? でも、売れるためには友だち役でもいいからテレビにいっぱい出るほうがいいのかもしれない……。そんな風に迷う時期がありました。

365日同じ役に向き合い
生まれた変化

転機となったのは映画『20世紀少年』への出演でした。大きな作品のオーディションなんて滅多にない時期で、私は『20世紀少年』に賭けていました。狙っていたのは、もちろんヒロインのカンナ役。もうこれしかないんだという気持ちでオーディションに臨みました。しかし、選ばれたのはカンナの友だちの「小泉響子」役。どうしても納得がいかず、最初はマネージャーさんに「やりたくない」と言ったほど。でも「ヒロインじゃなくても、この役はとても大切な役。絶対にやったほうがいい」と説得されました。さらに、1年間はほかのシゴトを入れずに「小泉響子」に徹するという条件もあり、1年にひとつの作品だけやっていて大丈夫なのか、という不安もあったのです。それに対してもマネージャーさんは「絶対に大丈夫」と断言。断ることもできないし(笑)、結局、その言葉を信じて挑んだ『20世紀少年』を経て、シゴトの幅が大きく広がり、演技に対しても変化が起きました。1年間、同じ役に向き合ったことで、余計な小細工はしないで、真摯な気持ちで役と対峙することの大切さがわかった気がします。お芝居を始めて10年以上が経ちました。つらいこともたくさんありましたが、私が関わった作品を見てくれた人から「元気をもらったよ」「笑ったよ」という声をもらえたときには、この上ないシアワセを感じます。誰かの心が動いて「感動したよ」って、言ってもらえたそのとき。私はこの道を選んでよかったと心の底から思えるのです。

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