葉山奨之

Shono Hayama
俳優

歩きかた、ちょっとしたクセ、 指先の小さな動きひとつまで、 その役になりきりたいです

NHK連続テレビ小説『まれ』でヒロインの弟役・津村一徹を演じ、その名前と顔を一躍全国区に広めた俳優、葉山奨之が3年ぶりに『an』に登場。 無邪気で「悪ガキ」のような雰囲気が印象的だった17歳のころとは一転、ときにはグッと大人びた表情を見せ、俳優として、着実にまっすぐに歩みを進めているという印象を受けた。 経験と自信、そして少しの余裕を手に入れて、20代になった彼はこれからどんな活躍を見せてくれるのか――。

トランペットの特訓で
しぐさはまるで上級者!?

映画『青空エール』では、吹奏楽部の水島という役を演じました。お話をいただいてから原作の漫画を読んだのですが、ド直球の青春ドラマに胸がグッとくる瞬間がたくさんあり、展開もおもしろい!「早く先が読みたい。続きが気になる!」 とすごくハマってしまいました。でも同時に「……どうして僕が水島の役なんだろう」と疑問もわいてきました。水島は、口数の少ないクールなキャラクター。僕自身の性格とは正反対だし、今までに経験した役柄ともまったく違いました。新しいキャラクターをしっかり演じ切ることと同時に、原作ファンの皆さんがイメージする「水島像」とかけ離れ過ぎないこと、まずはこの2つをクリアしようと考えました。原作を知る人が思い描く水島と、僕が考える水島を掛け合わせるように心がけましたので、映画を観ていただく皆さんにも伝わったら、うれしいです。もう1つ、技術的な面で水島に欠かせないのが、トランペットの練習でした。彼は吹奏楽部の部長に抜擢されるほどの腕前の持ち主なのに、吹いている姿が下手に見えてしまっては絶対にダメです。まずは形を完璧にすることにこだわりました。水島はトランペットの先をほんの少しだけ上げて演奏する、というテクニックを使っています。トランペットの先生から習ったのですが、それが上級者特有の吹きかたらしいです。これをマスターするために、空き時間はもちろん、家でトランペットを肌身はなさず持ち歩き練習しました。練習をするうちに、しだいに楽しくなってくるくらいの余裕が生まれました。撮影が終わった今でも、趣味にしようかなと考えているところです。

女子の中に男子がひとり
女子って難しいですね!

『青空エール』は応援がテーマの物語。吹奏楽部は野球部の試合を応援するのですが、実は野球部をうらやましく思っていました。なぜなら、吹奏楽部には僕しか男子がいないんです! 最初は女子に囲まれて気分良く過ごせるのかな~なんて思っていたのですが、いざ撮影が始まってみると、女子はそんなに甘くないということがすぐにわかりました(笑)何を考えているのか読めないし、いったいどうやって絡んでいいのか……。それに比べて野球部は男子ばっかりで遠慮なんて皆無、ものすごく楽しそうに見えました。地方ロケのときには毎日のように野球部のメンツと食事に出掛け、女子の前では出すことのできない本心をさらけ出していました(笑)そんな中、僕がこの作品を乗り越えるための大きな力となったのが、ヒロインの土屋太鳳ちゃんの存在です。太鳳ちゃんは『まれ』で1年間、姉と弟という役柄で一緒に芝居をしてきました。太鳳ちゃんは僕のプレッシャーを感じ取ったのか「ずっと水島でいるのはしんどいから、普段は奨之くんでいてね」と、声をかけてくれていました。そのお陰もあり、役に集中しながらも、いい感じで肩の力を抜いて演じることができました。

『まれ』出演を機に
シゴトに変化が!?

『まれ』に出演したことを機にシゴトへの向き合いかたが大きく変化しました。約1年間、同じ役のことを考え続け、16歳から32歳まで、最後には小学生の息子がいるお父さんの、1人の男性の人生を演じました。この期間は、役が成長していくと同時に、役からもらったパワーで自分も一緒に成長しているような感覚がありました。周りには大御所の役者の先輩がたくさんいて、監督はひとり一人と向き合いディスカッションをして丁寧に作品を仕上げていく。その場にいる全員がどんどん距離を縮めながら、ひとつの作品を築いているという一体感を味わいました。朝ドラは、長いときには10分以上カメラを回し続けることもあります。そのとき、全員が集中する瞬間の高揚感といったら……。僕が泣いている場面で、ほかのみんなが一緒に泣いたり、田中裕子さんから優しい心遣いを受けたり……すごく贅沢な現場で、新しく生まれたものがたくさんあったような気がします。『まれ』への出演を経て、役に対してよりいっそう追求したいという気持ちが高まってきました。ただセリフを覚えるだけでなく、ちょっとしたクセまでも、その役になりたい。そのために、今はいただいたシゴトに全力で取り組んでいます。

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