モンスターペアレントの事例と対処法|あり得ない要求に毅然とNOを

テレビのニュースやドラマなどでたまに目にする「モンスターペアレント」。塾講師のバイトをする以上、生徒の親と接点を持つ可能性があり、決して他人事ではありません。もしひとりでもモンスターペアレントに出会ってしまったら、対処に時間を取られるだけでなく、精神的に追い詰められることも考えられます。そうならないためにも、対処法を知っておきましょう。

今回は、塾講師のバイトの応募を考えている人、塾講師のバイトをしている人を対象に、モンスターペアレントの対処方法の事例をご紹介します。

モンスターペアレントとは?

モンスターペアレントとは、そもそもどんな親のことを指すのでしょうか?指導方法や子供の成績が上がらないことについて塾に要望を出したり抗議したりする親はどこにでもいますが、それとモンスターペアレントとはどう違うのでしょうか?

●モンスターペアレントと「正当な要求」の差は?

モンスターペアレントとは、学校の教師や塾講師に対して非常識な要求をしてきたり、自己中心的で理不尽なクレームをつけてくる親のことを指します。中には学校だけでなく、自治体の教育委員会などに押しかけたり、ネット上に悪口や良くない噂を書き込み、風評被害を狙う手口も見受けられます。

ただし、親は皆、学校や塾の指導方法に従順でなければならないというわけではなく、問題や落ち度があれば抗議するのは当然です。

では、モンスターペアレントと正当な要求をする親の差はどこにあるのでしょうか?具体的には下記の3点を満たしていることが正当な要求の条件です。

・子供の成長のために行っていること
・学校の教師や塾講師の任務を超える要求でないこと
・感情的にならず、冷静な言葉で要求していること


一方、学校や塾の側も、正当な要求をしているにもかかわらず、何度か電話をかけてきたというだけで、モンスターペアレント扱いしないよう気をつけるべきです。モンスターペアレントと決めつけて親の自由な発言を封じ込めることは、学校や塾側と親側の双方にストレスが溜まり、それが生徒に悪影響を与えてしまいます。

●モンスターペアレントを生む原因

モンスターペアレントが生まれる原因については、主に次の4点が指摘されています。

・過保護

自分の子供がかわいくて仕方がないあまり、学校や塾に対する要求が行き過ぎてしまうことがあります。そういう親は、成績が上がらないのは子供の努力不足ではなく、学校や塾のせいだと決めつけ、過度の要求をしがちです。

・親の孤立化

核家族化が進み、共働き夫婦が増えたことで、子育てに関する悩みを相談できる相手が身近にいないため、親自身が孤立してしまっていることも原因と言われます。また、日常生活に不満がある親の中には、イライラやストレスを学校や塾にぶつけてくる人もいます。

・教育現場への不信感

学校の教師や塾講師の不祥事や事件の報道により、教育現場に対して先入観や偏見を持っている親が少なくありません。そういう親は、学校や塾が何か大切な事や問題を隠しているのではないかと疑い、事あるごとにクレームをつけたがります。

・自分のほうが高学歴というプライド

さりげなく自分の出身校、出身大学、現在の勤務先などを会話に折り込み、学校の教師や塾講師の学歴と比較して、上から目線で「うちの子供を教えられる能力が、本当にあなたにあるのか?」「○○大学出身の人に担当を代わってほしい」などと要求するパターンです。教え方より学歴だけを過度に重視する人に見られる傾向で、少子化・定員割れ・大学全入時代といった問題が取りざたされるようになる2000年以降、徐々に目立つようになりました。

モンスターペアレントの厄介な事例と特徴

目を疑うようなモンスターペアレントの事例と特徴についてお伝えします。

●塾に対するモンスターペアレントの事例

・成績別のクラスわけの際、自分の子供の成績が基準を満たしていないのに、「うちの子を上位のクラスに入れてほしい」と言う
・特定の子を挙げて「(自分の子を)あの子と違うクラスにしてほしい」と言う
・成績が上がらない原因を子供の不勉強ではなく、塾の責任にして、「わかるまで課外授業をしてほしい」と要求する
・子供が宿題をやらないことを塾の指導のせいにする
・自宅から塾までの送り迎えを要求する
・塾を休んだ分、「無償で振り替え授業をしてほしい」と言う
・宿題をしてこなかったことを叱責したら、「子供が精神的にショックを受け、鬱になったので責任を取れ」と言う
・事あるごとに「カネを払っているんだから、いうことを聞け」という趣旨の発言をする
・授業料滞納のため授業を受けられないことを生徒に伝えたところ、「子供は関係ないのに、なぜカネの話を子供にするんだ!」「子供が傷ついた責任をどう取るのか?」などと言う


上記のように、モンスターペアレントのクレームや抗議は理不尽な点が否めません。しかし、塾側が冷静に説明しても、モンスターペアレントは聞く耳を持たず、さらに要求をエスカレートさせることもあるため、非常に対応が難しい問題といえます。

また、対処方法を誤ると、ますます理不尽さの度を増し、ネットなどに悪い評判を書かれるなど、塾側の信用低下を招くことがあります。

●学校に対するモンスターペアレントの事例

学校に対するモンスターペアレントの事例は、さらに理不尽で手に負えないものが数多くあります。

・「子供の成績が伸びないので担任を代えてほしい」と言う
・「我が子を教室の最前列の席にしてほしい」と要求する
・「学芸会で主役にしてほしい」と言う
・「子供が風邪を引いて出席できないため、学芸会の日程を延期してほしい」と言う
・給食費や、そのほか学業に必要な費用を支払わず、支払うよう親に連絡すると、「義務教育なのにカネを取るのか!」と逆ギレする
・「持ち物に勝手に名前を書かせないでほしい」と言う
・「いじめが原因で転校する」として、交通費を要求する

モンスターペアレントへの5つの対処法

モンスターペアレントに遭遇してしまったら、どのように対処するのが良いのでしょうか?対処法を5つお伝えします。

1)まず相手の言いたいことを全部言わせる

モンスターペアレントになる親は、教育現場への不信感を募らせていたり、子育ての悩みを相談できる相手が周囲にいないため、精神的な孤立を感じているケースが多く見受けられます。

そういうタイプには、まず思っていること、溜まっている不満や不安を全部吐き出してもらうことが大切です。話をよく聞き、時には相談相手になってあげることで、相手の不満や不安を和らげることにつながることもあります。

相手が話しているときの反応は、時折うなずいたり、相づちを打つ程度に抑え、反論したり自分の言い分を述べないようにしましょう。反論すると相手が逆上して、売り言葉に買い言葉で話が余計にこじれてしまうおそれがあります。

2)1対1ではなく、複数で対峙する

話し合いの場所はなるべく相手の家に出向かないようにしましょう。相手のペースに巻き込まれやすいからです。

もし相手の家に出向く場合でも、ひとりではなく複数で対応しましょう。1対1の場合、相手の勢いに委縮してしまいがちですが、こちらが複数であれば、心理的に落ち着いて対処できる可能性もあります。

3)話し合いの内容を記録する

話し合いに複数で臨んだら、ひとりはメモ係を務めましょう。もしその場でメモを取ることを許してもらえない場合は、話し合い終了後、「日時・場所・発言内容・決まったこと」などをすべて記録に残すことが大切です。

また、込み入った話になったり、要求がエスカレートしてきたり、恫喝や脅迫的な言動が見られる場合は、ICレコーダーやスマホのボイスレコーダー機能で録音する旨を相手に伝え、実際に録音することも重要です。

録音を拒否される場合もありますが、相手の話す内容に違法性がある場合は、裁判等でも隠し撮りした音声の証拠能力が認められるケースもあります。ただし、録音内容をネットで公開するなど一般の人が聞ける状態にすることは厳禁です。

4)「できること」と「できないこと」の線引きを明確化する

塾講師の任務から逸脱することや、成績が基準をクリアしていないのに「上位クラスに入れてくれ」「特別に課外授業をしろ」という要求に屈してしまうと、それが「特例」となって瞬く間にほかの親にも情報が広がってしまうことが考えられます。

そうなると「なぜあの子だけが認められて、うちの子は認められないのか?」と収拾がつかなくなるでしょう。「できないこと」に対する要求には、「できること」と「できないこと」の基準を明確にすることで、毅然と「NO」を伝える姿勢が大事です。

5)謝罪の範囲を限定する

塾側に非がある場合は謝罪する必要があります。しかし、その場合でも、とにかくその場を穏便に収めようとして「申し訳ありません」「すみませんでした」と全面謝罪してしまうと、普通の親でもモンスターペアレントに変身して過大な要求を突きつけてくることがあります。

そうではなく、「~の件につきましては申し訳ありませんでした」と謝罪範囲を限定することが大切です。そうすることで、「できること」と「できないこと」の線引きが明確化されます。

ルールに従って行動すれば、理不尽な要求に悩む必要なし

生徒の親の話には真摯に耳を傾けるべきですし、話の内容には参考になることも含まれているものです。

しかし、塾講師の任務の範疇を超えるような要求や、非常識で理不尽なクレームまで正面から受け止めていると、精神的に疲弊してしまいます。重要なのは「できること」と「できないこと」の線引きが塾側のルール・レギュレーションとして明確に設定されていることです。その上で、相手の話をよく聞き、できないことは毅然と拒否する姿勢が大事です。

ただし、その場合も逆恨みされてネットに悪い評判を書かれると営業上、不利益を被るおそれがありますので、慎重に言葉を選ぶとともに、話がこじれた場合は弁護士など第三者を交えることも大切です。

また、塾講師の個人宅へ直接押しかけてくることも考えられるので、自宅住所など個人情報には十分気をつけてください。

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