接客のプロ

伊藤 純子氏 株式会社ヒトデザイン代表取締役 アパレル企業やレジャー施設での接客研修で講師としても活躍中

押し引きのタイミングを掴むのは難しくないですよ

お客様としてアパレルSHOPに行った際、“押し”と“引き”の接客は、アパレルで働こうと思っている方ほど気になりますよね。お客様が来店してスグ、近くに寄りすぎると、お客様は威圧的に感じ、逆に離れすぎると客として扱われていないと感じてしまう。この“押し”“引き”タイミングは、お客様を観察すれば簡単に知ることができるんですよ。今回はそのタイミングを教えてさしあげますね。

接客のプロ美月さんが教える アパレル販売押し引き接客タイミング

1 来店時 押し お客様の情報を収集

アパレルスタッフの「いらっしゃいませ」には2通りあります。ひとつは、来店されたお客様に対するもの。もうひとつは、お店を元気づける、お店のそばを歩く人にお店があることを気づいてもらうもの。このタイミングでは前者。しっかりお客様を見て、笑顔で「いらっしゃいませ」というのがベスト。怖そうな方だったり、何人も連れ添って来た方だったりしても、縮こまらないように。この一瞬でお客様の服装から情報を収集。着ている服装でお客様の好きなスタイルをイメージしておきましょう。

2 店内を物色中 引き お客様の目的を見極めよう

お客様の視界に入る、できるだけ離れた位置にいて、商品の整理を笑顔でしていましょう。ここでは「なにをお探しですか?」などと、いきなり声をかけるような“押し”はNG。よくて「なにかあればおっしゃってください」くらい。このタイミングでは、引きながら、お客様の目的を見極めるのがベスト。なにを探しているのか、どの商品を長く見ているかなど、あせらずにお客様が安心してショッピングを楽しめることを一番に考えましょう。チラ見を最小限に抑えて、広くゆっくりと移動しながら次のタイミングを待ちましょう。

3 商品を手に取り品定め 押し 普段の会話のようにコーディネートを

ここでのポイントは、“わかりきったことは押しの言葉として使わない”ということ。たとえば、「サイズはいろいろあります」「色違いがあります」などですね。男性は、素材や生産地などのスペックを、女性ならその服を着こなすパターンを、普段の会話のように話すとベスト。「この服ならこのパンツをあわせるとかわいさUPですよ」など、一緒に好きな服を選ぶ友達のように、ワクワクしてもらえるように、ほめまくって“押し”ます。コーディネートすることで、お客様の気になる商品が増えさせることができれば、お店の利益にもつながりますね。

4 商品が気になりはじめた 押し 背中を押してあげましょう

ここまでくれば、押せ押せです(笑)。ここで購入に踏み切れていないお客様なら、なにを迷っているのかをチェック。似合うのかどうかを気にしているなら、ほめることが足りてないし、この服が必要なのかで迷っているなら、シチュエーションの提案が足りていないってこと。そこを“押し”です。「買っちゃいましょうよ! 似あってましたもん」なんて言葉も、このタイミングまでにお客様と打ち解けていれば言えちゃいます。ここまでの“押し”と“引き”がうまくいったかどうかがわかるポイントですね。

“押し”“引き”のタイミングはどれも「お客様重視の姿勢」が大事

「買ってもらう」ではなく「お店にいる時間を楽しくすごしてもらう」ために、それにあった“押し”“引き”のタイミングを掴みましょう。“押し”のアクションに悪いイメージを抱く方がいますが、お客様の大切な時間をいただいているのですから、押すタイミングでしっかり押さないと、お客様のいままでの時間をムダにさせてしまいます。押し、引きのタイミングはすべてお客様のことを考えていることが大切なんですよ。

※2011年11月7日現在の情報です。
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