凛とした態度で対応、お客様を立てながらの状況把握…

プロが教える!“ピンチ別”スルっと切り抜け接客テク

 バイト中に発生してしまったお客様とのトラブル。どうにかしなきゃと焦るあまり、パニックに陥ってしまい、余計にトラブルが大きくなっちゃった…なんてこともバイト初心者にはありがちなこと。でも、恐れることなかれ! 今回の特集ではお客様のタイプ別に対処法を解説。しかも、覚えておくと便利なマナーや言葉のスキルも伝授。これで接客業への不安も一気に解消すること間違いなし!

【取材・文:鈴木 夕未 イラスト:フジモト ヒデト 監修:山田 みどり 編集部:しずかねぇ 制作日:2009/08/03】

これでなんなく問題解決★ ココをおさえろ!困ったお客さまへの対応術
コツその1 謝っても許してくれないお客様 → 凛とした態度で何度でもきちんと謝る

 接客業は怒られるのも仕事のうち。怖がってひるんでしまうと、お客様を逆上させてしまう場合があるので、怒られても凛とした態度できちんと謝ることが大切。ただ謝るのではなく、謝りながらお客様の怒りの情報をキャッチし、要所要所にお客様の気持ちをくみ取ったフレーズを加えるとより効果的だ。例えば、待たされたことで怒っているお客様に対しては、「長い間お待たせしまして、大変申し訳ございません」というように謝れば、「お待たせした」ことを具体的に表現しているので、明確でお客様の心情を捉えていることになり、感情の高ぶりも抑えられる。


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絶対禁句!反論フレーズ


「何度もお話しておりますが」 「以前もご説明致しましたが」

 このふたつのフレーズは、接客側としては「ごめんなさい」のつもりで言っていると思うが、裏返せば「お客様、あなたはなにもわかっていませんね」と言っているようなもの。「何度もお話しておりますが」というフレーズは、お客様が悪いというニュアンスに聞こえるので、お客様としても「私が悪いって言うわけ!」と逆切れしかねない。「以前もご説明致しましたが」というフレーズだが、これも逆効果。お客様にとっては以前のことは覚えていないし、関係ないのだ。

コツその2 勘違いで怒り出してしまったお客様 → お客様を責めず、状況確認後、事実を伝える

 勘違いしているお客様に対しては、まずは問題を解きほぐすことが先決。穏やかにゆっくりと行き違いを紐解く感じで内容を確認していこう。このとき大切なのは、お客様に恥をかかせないこと。たとえお客様に非があると考えられる場合でも、あからさまにお客様のせいにしたり、理詰めでお客様の間違いを指摘するような言い方は、より火種を大きくしてしまう原因にもなりがち。そんな場合は、まずお客様の言い分を受け入れた上で事実を伝えるのがベスト。誤解を与えるような言い方をしてしまったことに対して謝罪し、その後「実は~」と続ければ、不快にならない。


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絶対禁句!逆切れフレーズ


「それはお客様の勘違いです」 「私、担当でないものですから」

 言い訳、高飛車、上から目線の言葉遣いはNG。特に、断定的な「それはお客様の勘違いです」というフレーズは接客業では絶対禁句。お客様に恥をかかせるだけでなく、否定していることになるからだ。説明不足やチラシなどの記載内容のあいまいさなどに原因があるかもしれないので、勘違いのもとをつくったのは店側や自分かもしれないというスタンスが大切。お客様にしてみれば即刻問題を解決して欲しいという気持ちでいっぱいなのに「私、担当でないものですから」というフレーズは、逃げの姿勢が丸見えでお客様の怒りが倍増する。

コツその3 なぜ怒っているのか不明なお客様 → 「恐れ入りますが」をきっかけに事情を把握する

 ポイントは状況把握。怒りの原因がつかめないうちから平謝りするのは、余計混乱を招き、話を複雑化してしまいがち。まずは「恐れ入りますが、詳しくお聞かせ願えませんでしょうか」と、事情を明確につかむことが大切だ。このとき、ゆっくりと順序よく聞き取っていくのもキーポイント。お客様の言ったことを要領よく繰り返し、整理して確認。お客様も頭の中で整理ができるはずだ。また、こういったケースの場合は、時間がかかる可能性もあるので、静かな落ち着ける場所に移動するのも手。その場合は、イスがあるとベスト。座ることで気分が落ち着いてくる。


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絶対禁句!開き直りフレーズ


「どうすればいいんでしょうか」 「お客様のおっしゃっている意味がわかりません」

 お客様をせかすフレーズは基本NG。人はせかされると焦ってしまい、言いたいことの半分も言えなくなってしまうからだ。お客様の言い分を確認しないのも、結局問題解決の糸口がつかめないので、これも気をつけたい。お客様が一生懸命説明しているのにも関わらず「お客様のおっしゃっている意味がわかりません」というのも接客業の基本としてはありえないフレーズだ。お客様に対しては、常に感謝の気持ちを忘れないようにするのも大切。上から目線で接すれば、態度や言葉の端々に出てしまうので気をつけよう。

コツその2 無理なお願いをしてくるお客様 → お客様を立てつつ、婉曲話法でやんわりお断り

 接客業では、お客様は神様! 無理難題を押しつけてくるお客様や首をかしげることをお客様が要求してきたらまずはお客様を立ててつつも、こちら側のできないという意思を伝えることが重要だ。そのためにも、「できかねます」「いたしかねます」という婉曲話法を使い、やんわりと断るのが接客上手。ストレートに「できない」と言われると、すべてをシャットアウトされてしまったような気持ちになり、カチンときてしまうが、「できかねます」「いたしかねます」のほうが、やんわりと受け止めることができる。接客用語として使える用法なのでマスターすべし!


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絶対禁句!断固拒否フレーズ


「当店の決まりになっております」 「できません、ムリです」

 良かれ悪しかれ、店側に対するお客様の期待は大きい。それを堂々と断ると、お客様は「なんで?」という気持ちになる。特に、「できません」「ムリです」という言葉は否定語なので、たとえそれが事実であっても、相手には強く響いてしまうのだ。ムリだと思っても聞く耳をもつことで、お客様は聞いてくれたと納得してくれることもあるし、譲歩が生まれるかもしれない。こういうときは、クッションになるフレーズを積極的に使おう。

テクニックよりまずはココから 接客の心構えと基本マナー

接客第1条 笑顔を忘れるな!

 商売人は「笑売人」。笑顔で接客の9割が決まってしまうほど笑顔は接客業にとって重要ファクター。接客業はお客様相手に笑顔の練習をさせてもらっている、素晴らしい仕事だと思えばいい。いつも笑顔でいれば、ハッピーオーラに包まれた笑顔美人になれるはず。

接客第2条 言葉遣いや動作のスキルを磨く!

 気持ちや言葉は態度に表れる。いつもお客様を大切に思い、お客様の立場になって考え、行動することが大切だ。自分がしてもらって気持ちいいことを常に心がけよう。また、周りに気を配りながら動いている様子はときに言葉にしなくても気持ちが伝わるパワーをもっているので、丁寧な動作を心がけよう。

接客第3条 すべては挨拶に始まり、挨拶に終わる

 接客業の基本中の基本が挨拶。特に「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」は完璧に言えるようにしたい。ただ言うのではなく、明るく大きな声でゆっくりと伝えよう。また、お客様も十人十色なので、挨拶も多様なバリエーションを身に付けておくと便利だ。

今回の講師はこの方!

山田 みどりさん

1972年に株式会社船井総合研究所に入社し、マーケッティングマネージメントに従事。1989年に人材育成コンサルタントとして独立。新入社員や幹部社員の研修を中心に講演やセミナーなど多方面で活躍中。著書に『お客様に信頼されるプロ定員の話し方』(日本実業出版社)などがある。



 接客業で大切なのは「相手の立場に立って考えること」「常に誠意をもって接すること」です。たったひと言でもお客様にはこちら側の気持ちが伝わってしまいます。接客業をする上で覚えておきたいのは「誠に」という言葉。心を込めてしっかり発すると、この人はがんばっているんだなと、お客様も認めてくださいます。感情移入して一語一語かみしめて言えるように日頃から練習しておきましょう。


編集後記

 接客のお仕事は本当に奥が深いですよね。マニュアルどおりにお客様にお伝えしても、やはり最後は“気持ち”がとても大切なんだと感じました。どんなことにも通じますが、相手の話を最後まできちんと聞き、気持ちを理解することでなにごともスムーズに解決できるんですよね。といってもいきなり完璧にするのは難しい話。まずは気持ちをこめてお客様と向きあい、接する、それだけでも接客スキルがUPしそうです!

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