2年のフリーター生活の後、憧れの編集者に 見つけた! バイトから将来の道(編集者編)
バイトをしていて、「将来やりたいことが見つかった!」という方はいますか?「お給料だけが目的だし、そういうことは特にないなぁ」という方もいるかもしれません。今回取材したのは、インターネット飲食店検索で有名な【ぐるなび】の編集部大澤由美子さん。彼女が編集者の道を歩むことになった魅力とはなんなのでしょうか?大学卒業後、就職難から旅行の添乗員をしていた大澤さん。そこから編集者が一生の仕事になるまでの道のりを紹介します。

(取材・文:浜田彩 編集部:メガネ 制作日:2008/1/28)
【ぐるなび】 編集部 大澤由美子さん 編集部への道
15歳 ばくぜんと編集者になりたいと思う 20歳 在学中に大学祭の原稿を情報誌に頼まれ書く 22歳 出版関係に就職できず、添乗員のアルバイトに就く 転機  24歳 添乗員をしながら編集プロダクションを受け、アルバイトとして勤務 28歳 株式会社ぐるなびに編集者として入社

憧れを抱きはじめたのは15歳のとき

 はじめて出版業界に興味を抱いたのは中学3年生のときでしたね。当時から雑誌を読むことが好きで、そのとき愛読していた情報誌や音楽雑誌を見比べていたら、実はどの記事も書いているライターさんの名前が同じだということに気づいたんです。そのときに、「私はこの人の文章が好きなんだな。いつかこんな風に雑誌に文章が書けたらいいな」と思ったんです。ハッキリと夢を見つけたというよりも、ばくぜんとした憧れ。学生時代を思い返してみれば、学校で先生に作文をほめられたことがあったり、日記をつけたりもしていたり、文章を書くのは当時から好きだったんだと思います。

株式会社ぐるなび 営業推進グループ
ぐるなび通信編集部 大澤 由美子さん(30)
現在、飲食店向けのマガジン「ぐるなび通信」の編集を担当。



 【ぐるなび】日本最大級のインターネットグルメ情報サイト。おサイフケイタイを使った新しいサービス 「ぐるなびタッチ」や一流シェフのレシピを動画配信するなど、さまざまな新しい取り組みも行っている。

雑誌に載った自分の文章で夢を再確認

 出版業界へとばくぜんとした憧れは抱きつつも、高校生活は特に行動に移すことなく終わってしまいました(笑)。そして、改めて文章を書きたいと思ったのは、大学で学園祭実行委員をしていた20歳のときですね。学園祭シーズンになると、よく情報誌に「学園祭カレンダー」みたいな記事が掲載されていますよね。私は、そこに載せる紹介文を書く担当になったんです。短い文章でしたが、自分の文章が雑誌に載ったのを見たときにすごくうれしかったんですよね。やっぱり、大学卒業後は、出版業界に就職して、雑誌に文章を書いてもっといろんな人に読んでもらいたいと思いました。

就職氷河時代の挫折と後悔

 翌年、就職活動をはじめることになって、出版社をかたっぱしから受けたんですが、悲しいことに当時は就職難。コネも経験も無い私は、どの出版社もことごとく落ちてしまったんです。かといって、妥協して出版業界以外に就職することは考えることもできなかったので、卒業後はアルバイトをしながら就職活動をする道を選ぶことにしました。その頃は、もし学生時代に出版社や編集プロダクション(出版社から依頼を受けて、編集・ライティング業務を行う制作会社)でアシスタントとしてアルバイトをしていたら、そこから社員になれていたのかなと後悔もしていましたね。



添乗員をしながら同時に就職活動も

 大学時代はコンビニエンスストアでアルバイトをしていたんですけど、卒業後は今までとは違う仕事がしたいなと思って添乗員のバイトをはじめたんです。自分としては、出版業界に進むまでの腰掛けのつもりだったんですけど想像以上に仕事が忙しかったですね。仕事の合間を見つけながらの就職活動だったので、結局、“仮面フリーター”の生活を2年も続けることになったんです。2年は長かったけど、その後、編集プロダクションに入って最初に担当した仕事がガイドブック。添乗員時代の経験が生かされたので、後になってこの2年間も無駄じゃなかったかもしれないと思いましたね。

憧れの職業に雇用形態は関係ナシ!

 2年間の就職活動のかいがあって、24歳のときに念願の編集プロダクションに入れることになったんです。ずっと自分が憧れていた職業だったので、アルバイトか、正社員か、などと雇用形態にはこだわりませんでしたね。とにかく、働かせてもらえることがうれしかった。それに、この業界は、アルバイトでも正社員でも、アシスタントじゃない限り、行う作業は同じことが多いんです。だから、雇用形態によって、携われる仕事が限られることもないし、学べることも同じ。最初は、修行のようなものだから、雇用形態にとらわれないで、はじめやすいアルバイトで業界のことを知っていくのも道のひとつだと思います。



自信がつくまではアルバイトで

  編集プロダクションに入り、最初の3ヶ月間は充実感に溢れていて休日がなくてもまったく気になりませんでした。だけど、3年くらい経ってくると仕事にも慣れてきて、そろそろ次のステップに進みたいと思いはじめたんです。編集プロダクションは“決まった企画を受ける立場”、次は編集部で“企画を作る立場”にまわりたいと思ったんですよね。ただ、そのころはまだ自分のスキルに自信が持てず…。次のステップを視野に入れながら、さらに1年働くことで次に進む心の準備が整いました。保険や福利厚生が整っている社員になりたいなんていう要求も、仕事で自信が持てるようになってきたからこそ言えたんだと思います。


過去の経験が生きて、今がある

 結局、大学を卒業して6年半経って、ようやく憧れていた編集の業界で安定した立場で仕事ができるようになりました。かといって、アルバイト時代に不満があったわけではないし、すべての経験が今に生きていると思います。どんなジャンルの雑誌でも、編集者が具体的に行う仕事は、ほとんど変わらないし、編集プロダクションでグルメ雑誌を作っていた経験もあったからこそ、「ぐるなび」で即戦力として働くことができました。アルバイトからスタートしても、現場でスキルを身につけていくことで、チャンスはどんどん広がっていきますよ。



アルバイト募集を見つけたら、チャンスだと思って

 編集者になりたいと考えているなら、出版社や編集プロダクションのアルバイト募集を見つけたら、チャンスだと思ってください。全く興味のないジャンルの媒体は避けたほうがいいと思いますが、経験や人脈は待っているだけでは身につきません。学生なら、そこで働いた経験が就職活動に役立つと思うし、フリーターでも現場でスキルを身に付けることが最大の武器になるはずです。また、今は「ぐるなび」のようにWEBで展開しているメディアもあります。紙媒体だけではなくWEBの媒体での編集の仕事もオススメします。最後に、編集者に大切なのは会話力。きちんと人の話に耳を傾け、言葉の意味を考えることを心がけていると、面接はもちろん働きはじめてからも役立つと思いますよ。

編集後記
 今回の「バイトの道」いかがでしたでしょうか。編集者になるためにあきらめなかった思いが伝わりました。編集者になりたくても違うバイトをしている人、遅くはありません。そのバイトを生かせる編集部に入ればいいんです。アルバイトから編集者という道がこの業界でも大事だということがわかりました。大澤さんとお会いして、同じ編集者としてもっとがんばらねばと思ったしだいです(汗)。

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