お酒と接客のおもしろさを知って、夢を決めた
見つけた!バイトから将来の道(バーテンダー編)

バイトをしていて、「将来やりたいことが見つかった!」という方はいますか?
「お給料だけが目的だし、そういうことは特にないなぁ」という方もいるかもしれません。
今回取材したのは、銀座にあるバー「ロックフィッシュ」を経営している間口一就さん。
小さい頃から「店を持つ」という漠然とした夢を抱えていた彼が、
バーテンダー人生を歩きはじめたのは大学生時代。
はじめは「お酒に興味がある」程度ではじめたバイトが、一生の仕事にまで
なった道のりを紹介します。

(取材・文:浜田彩 編集部:メガネ 制作日:2007/7/30) 

ロックフィッシュ代表間口さんバーテンダーへの道

手に職をつけたいという漠然とした夢 憧れだけで飛び込んだお酒の世界
時給よりも技術を身につけたかった
 お酒を覚えはじめた大学時代、周囲のように騒ぐために
飲むよりも、お酒のおいしさに興味があったんです。
なかでも洋酒のことをもっと知りたくて、洋酒辞典を買って読みましたね。
それから、実際に洋酒に触れてみたいなと思い、求人情報誌でバーテンダーの
バイトを探しました。

 そこで見つけたのは、大正時代から続く老舗バー「サンボア」の募集記事。
隣には時給が「サンボア」の2倍、1400円のプールバーの募集もありましたが、
お金よりも「本格的な技術をきちんと指導します」という、
言葉に惹かれて「サンボア」を選びました。

 家が自営業だからですかね、漠然と手に職をつけたいなと思ってはいましたね。
間口一就さん
間口一就さん(38)
『BAR ROCK FISH』東京都中央区銀座7-2-14
第26ポルスタービル2F 新橋駅下車徒歩4分
(03-5537-6900)

BAR ROCK FISH
初めての自分の店は大阪。
『BAR ROCK FISH』北浜店
大阪市中央区北浜1-9-8 松本ビル2F
(06-6231-6969)
厳しい現実の中で知ったはたらく喜び
 当時の仕事は、「洗う」「運ぶ」「下げる」の3つ。
最初は、常連客の注文をきちんと取ることや伝票管理すらできず大変でした。
約10分の休憩時間を使って、料理の盛り付けやお客さんの好みを必死で覚えましたね。お酒の量、グラスに入れる氷の数・・・。つまみも、あの人はナッツ、この人はピクルスと、みなさん「いつもの」しか言いませんから(笑)。もう、メモ帳に書きまくりですよ。

 そして、少しずつスムーズに仕事が運ぶようになると、
自分が店を回しているという充実感を感じるようになりました。
お酒を作る仕事はできませんでしたが、お客さんに名前を覚えてもらえることも仕事
の励みになりましたね。 お酒を提供して、話が盛り上がって、お客さんは笑顔になる。
だから、この裏方の仕事は、もう楽しくって仕方がなかったです。
仕事中ずっと「ウハウハ」でしたね(笑)。

我流のルール「先輩にグラスは洗わせない」
 入店から半年後には、料理の盛り付けも手伝わせてもらえるようになりました。
休憩中に書いたメモ帳を思い出しながら盛り付けをして、ダメだしされてやり
なおすのはしょっちゅうでしたね。

 けれど、仕事が増えてきても自分のルールを守っていたんです。
それは、「先輩にグラスは洗わせない」こと。
キツく注意されるような職場ではなかったので、自分なりにルールを作ることが、
ある程度仕事を覚えてからの張り合いになりました。
間口一就さん

バイト時代に学んだ大切な教訓 “人の話を聞き、辞めグセをつけないこと”
目標に近づくためなら雇用形態は関係ない
 ホールの仕事を4年続けた25歳の頃。
お客さんが自分の名前を覚えてくれて、自分が出すお酒を飲んで楽しそうにしている
のが、たまらなく気持ちよくて、飲食店は天職だと思い
30歳になったら自分の店を持つ」という目標が生まれました。

 この目標を果たすためだから、フリーターという雇用形態に不安はなかったんです。
やるべきことをするのに社員もバイトも違いはない。それよりも人の倍働こう
と思い、夜中には違うバーを掛け持ち。
あとは、経営者になったら遊べないこともわかっていたので、働いた分
人の倍遊ぼうとも思いましたね。
間口一就さん
間口さんのとなりにいる長谷川さんは、大阪時代のサンボアの後輩。 それがきっかけで、東京でも一緒に働こうと間口さんが誘ったそうです。

間口一就さん

 この時期、ちょうどお酒をつくりはじめてきたときでもありました。
メモ帳に書いたレシピどおりに、常連さん用のお酒をつくるんですが、
「違うな」っと常連さんから言われるんです。すべて同じなんですよ。
間違っていないんです。

 当時はまったく意味がわかりませんでした。
でも、今はわかるんです。
違ったなと。言葉で説明できないんですけど、全然、違うんです(笑)。

仕事後の時間も大切にする
 当時は仕事の後、先輩に飲みに連れて行ってもらい話を聞くのも勉強になりました。
20代のうちは、先輩や店長の話は聞いたほうがいい。
僕も28歳の頃、「店を開くために、全部を覚えなくては」というプレッシャーを感じて
調理場の仕事に気持ちが傾いていた時期がありました。

 けれど、先輩に「お前が目指すのはバーテンダーだろ。
学ぶことはカウンターの中にあるんじゃないか
」と言われて、
やるべきことを見つめ直すことができたんです。
バーテンダー

バーテンダー
人間関係は辞める理由にならない
 ふたつのお店で働きながら感じた事は、人間関係を理由に辞める人は
成長できない。合わない人がいても、そこから関係を続けていくことができるかが、
客商売をしていく上で大切。また、何かを辞めるのはクセになると思います。

 大学も同じ、仕事に直接関係がないと感じても続けることで得るものがあるんですよ。
かくいう僕も大学を卒業するのに7年かかったんですけどね(笑)。

人とのつながりが生んだチャンス ひとつのことを続けて見えてくる道がある
2足のわらじではじめた自分の店
 30歳のとき、ようやく店のメインバーテンダーになることができました。
しかし、同時にお客さんから「自分の店持ったらどうだ?」と勧められたんです。
欲張りだから、両方やりたくて(笑)。

それで半年くらいであっという間に自分の店「ロックフィッシュ」が誕生しました。
「ロックフィッシュ」は、夜中のバーで一緒に働いた仲間とランチ営業。
そして、夜は「サンボア」で働きました。
睡眠時間は3時間しかなかったけど、充実していました。
バーテンダー

バーテンダー
10年続けて、やっと見えてきたもの
 2年間、両立生活を続けてきたんですが、「サンボア」は後輩に譲り、
「ロックフィッシュ」だけに絞ることにしたんです。
ひとつの店を10年見てきて、バーテンダーとして大切なものの感覚がようやく少しわかった気がします。
 僕がバーテンダーの道を突き進んでこられたのは、“好き”だから。
“得意”なことはいつか飽きてしまうけれど、“好き”なことは続けられる。どんな道を
選ぶにしろ、“得意”と“好き”を勘違いしては天職は見つけられないと思います。
これからも、10年20年と今と同じようにお客さんの笑顔を見ながら働き続けたいですね。

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編集後記
  将来やりたいことを見つけることって難しいですよね。ひとつ好きなものがあって、それを追い続けていたら夢になり仕事になった。間口さんはそんな人だったのではないでしょうか。好きなものを貪欲なまでに追い続ける。というのが難しいかもしれないですけど、間口さんにとってはそれがいたって普通だったという印象。みなさんも、好きなものを追い続けてみてはいかがでしょう。それが将来につながる道になるかもしれません。

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