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改正職業安定法が施行された今、求人広告掲載前にチェックすべき3つのポイント



 平成30年(2018年)1月1日より施行となった、改正職業安定法。職業安定法は職業紹介・労働者の募集などに関する基本的なルールが定められた法律です。今回の改正により、労働者の募集や求人申込みの制度に変更が加わりました。

 求人メディア全体の広告掲載件数が138万件を超える(2017年10月時点)ほど求人広告が溢れている現代において、「チラシで見たときには試用期間の時給が違うなんて書いていなかったのに…」「裁量労働制なんて文言、WEBでは見なかったのに…」など、実際に雇用契約を結んでから広告内容と実態のギャップが発覚するトラブルが社会問題化しております。

 本稿では、そんな改正職業安定法の要点を簡単におさらいしつつ、実際に求人広告を掲載する際には具体的にどんなことに気を付ければいいのか、例を用いながら解説をしていきたいと思います。


改正職業安定法で押さえるべきチェックポイントは3つ


 

 改正職業安定法により求人募集企業が守るべき主なチェックポイントは、大きく見ると以下の3点です。

 ポイント① 明示すべき労働条件に追加された新たな項目
 ポイント② 求人広告に記載した労働条件を、途中で変更する場合の明示義務
 ポイント③ 求人募集情報の保存義務

 それでは、以下でそれぞれについて解説していきましょう。


 ポイント① 明示すべき労働条件に追加された新たな項目

 求人広告を掲載する際には、必ず明示しなければならない労働条件というものがあります。特に要注意なのが以下の項目です。

 ●試用期間と、その後本業務開始時の労働条件が異なる場合は、それぞれの労働条件等の明示

 こちらは、業界・職種・雇用形態を問わず広い範囲の求人募集企業が気を付けねばならないポイントです。試用期間中の給与と本採用後の給与が異なる場合など、試用期間中と本採用後のそれぞれの給与を明示しなければなりません。

 >>表記例
 時給1000円(試用期間3カ月、時給960円)

 ●固定残業代制を採用している場合にはその旨の明示
 (固定残業代の金額、固定残業時間、超過分は追加で支給する旨の明示)

 例えば営業職の正社員などで固定残業制を導入している場合は、募集の際にもその旨を明示する必要があります。固定残業代をいくらと表記するほかに、何時間分の時間外手当として支給するのかを明示しなければなりません。そして最後に、その時間外手当分を越える残業が発生した場合、その割増賃金も追加で支給することまで忘れずに明示する必要があります。

 <表記例>
 月給26万3,000円以上(固定残業代含む)
 ※固定残業代【20時間分(4万3,200円)】が含まれます。
 ※固定残業代の時間数を超える時間外労働は追加で支給。

 ●裁量労働制を採用している場合にはその旨の明示

 デザイナーや編集などの専門業務、企業の中枢で企画立案を行う企画業務で裁量労働制を敷いている場合は、その旨を明示する必要があります(ただし、裁量労働制は一部の職種・業務に携わる労働者にしか認められていません)。

 >>表記例
 職種:ゲームクリエイティブ開発職(デザイナー/プログラマー)
 勤務時間:専門業務型裁量労働制(1日あたりのみなし労働時間8時間)


 ポイント② 求人広告に記載した労働条件を、途中で変更する場合の明示義務

 求人を掲載している最中に労働条件を変更することは、求職者の混乱を招くおそれがあるため、できれば避けたほうが好ましいと言えます。しかし、何らかの事情で労働条件を変更する際は、速やかに掲載内容を変更しつつ、応募者の方にも以下のどちらかの対応をすることが求められます。

 ・当初の明示と変更された後の内容を対照できる書面を、応募者に交付する
 ・労働条件通知書において、変更された事項にアンダーラインを引いたり、着色したり、脚注をつけて、応募者に交付する

 大事なのは、応募者にとって変更前と変更後の違いが分かり易いようにすること、そして、応募者には書面にて伝えることです。この書面というのは基本的には紙のことを指しますが、応募者の了解があればメールでも問題ありません。

 注意が必要なのは、一度労働条件を変更した後に応募があったケースです。変更後に応募があったからといって、応募者が必ずしも変更後の労働条件を見ているとは限りません。変更前の労働条件を見て応募の意志を固めた後、しばらく経ってから応募をしたら、その間に労働条件が変わっていたということも考えられます。一度変更を加えたら、全ての応募者に交付しましょう。

 なお、以下のような場合に変更の明示が必要となります。待遇が悪くなるか良くなるかに関わらないところに注意が必要です。

 >>「当初の明示」と異なる内容の労働条件を提示する場合
 当初:時給1000円 ⇒ 時給960円

 >>「当初の明示」の範囲内で特定された労働条件を提示する場合
 当初:時給960円~1000円/月 ⇒ 時給980円

 >>「当初の明示」で明示していた労働条件を削除する場合
 当初:時給960円、カウンター手当 時給+100円 /時 ⇒ 時給960円

 >>「当初の明示」で明示していなかった労働条件を新たに提示する場合
 当初:時給960円/時 ⇒ 時給960円、カウンター手当 時給+100円


 ポイント③ 求人募集情報の保存義務

 募集情報を適切に保存しておくことが、募集企業の義務として規定されました 。応募者に対して明示した労働条件が、応募者の認識と食い違ってしまうことを防ぐため、また、万一応募条件の変更等が生じた場合に、当初の明示内容との差分を説明するためにも、募集企業が責任をもって労働条件を明確に管理することが求められます。募集期間中は、現在の募集情報だけでなく変更前の募集情報もしっかりと取っておきましょう。


もしも規定に違反してしまった場合


 改正職業安定法を順守していくことは、求職者のためのみならず、募集内容についての無用なトラブルを避けるためにも大切なことです。「詳しいことは面接で説明するよ」ではもはや通用しません。

 もしも適切な対処を怠ってしまった場合、行政による指導監督(行政指導や改善命令、勧告、企業名公表)や罰則等の対象となる場合があります。

 

 

まとめ

 
 求職者と募集企業との健全なマッチングは、採用活動において必要不可欠であり、今回の改正職業安定法はその健全なマッチングを促進するためのひとつの手段です。募集企業の皆様におかれましては、法令順守はもちろんのこと、それ以外でも積極的に求職者との情報のギャップを無くしていく姿勢を持つことが、順風満帆な採用活動のために大切なことだと思います。

 今からの採用活動に、本稿を少しでもお役立て頂ければ幸いです。

 

 【補足1】
職業安定法の改正に関する厚生労働省のリーフレット
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000171017_1.pdf

 【補足2】
こちらの記事につき、関連資料をご用意しました。ご所望の方は、担当営業にご連絡頂くか、もしくは下記お問い合わせ先よりご連絡ください。
0120-393-350




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