入社 1ヵ月以内の退職を減らす!スグ効く退職防止策とは?

「店長!! ○○さんがまだ来てないです。携帯にかけてもつながらなくて…」、繁忙期、期待して入ってもらった新人アルバイトさんの急な退職に肝を冷やした経験のある経営者、採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

前回の「an report」“「時給派」「雰囲気派」 2つのタイプから、アルバイトの定着・退職防止を考える”では、アルバイトスタッフが仕事探しや継続勤務時に重要とするポイントから「時給派」「雰囲気派」の2つのタイプに分け、その定着や退職防止について、ご紹介しましたが、今回は期間を絞って「入社1か月以内の退職防止策」について、ご紹介したいと思います。

今回もパーソル総合研究所の調査を参考にしながら、具体的にスグにできる取組みについてお話したいと思います。

早期退職原因のポイントは2つ

2016年1~2月にかけて行われたパーソル総合研究所が、外食・小売・運輸業の大手7企業の協力を得て行った調査によると、入社から1カ月以内で辞めてしまうスタッフは、離職者のうちの22.1%にも上ることが明らかになっており、その理由は大別すると、以下の2つであるとされています。

① リアリティショック(入社前イメージ・想定とのギャップ)
② 仕事中のコミュニケーション不足

まず、下記の「早期離職と関連の強い項目」のTOP10をご覧ください。

■早期離職と関連の強い項目

「②仕事中のコミュニケーション不足」は、直接的で分かり易い要因ですが、もう一方の「①リアリティショック(入社前イメージ・想定とのギャップ)」には2パターンあり、1位・2位は面接時とのギャップ、4位・5位は入社前のイメージとのギャップでした。2017年4月に「an report」で公開した”7割の若者が希望しているアルバイトの「下見」 求職者が下見の際にチェックしたいポイントは?”の調査では、アルバイトの下見の際に「スタッフや店長がどんな感じの人か」「仕事内容がどんな感じか」「忙しさはどのくらいか」などをチェックしたい、という結果が出ており、
【求職者はネット調査や実地の下見を行い、自分なりの仕事や雰囲気のイメージを持っている】
→【面接で仕事内容や量について聞き、納得して働き始めたものの、ギャップが大きくて退職したくなる】
といった傾向が見て取れるといってよいでしょう。

上記傾向から、面接時の説明の重要さが感じられる一方で、アルバイト面接は、「1回のみ/短時間/即採用が決まる」というケースが多く、また、高校生や大学生など社会経験の少ない求職者も多いため、一定のギャップが発生してしまう事は避けて通れない部分でもあります。

もちろん良い面接を行いギャップが少ない事が望ましいですが、仮にそのギャップが発生してするとしても、予めどんな体制や制度を準備しておくと、1か月以内の退職は防げるのでしょうか。

 

1ヵ月未満で辞める・辞めない、どんな違いがあるのか?

パーソル総合研究所の「1カ月未満で辞めてしまったスタッフ」とそれ以上続いたスタッフの違いを調べた勤務先の公式な制度・非公式なコミュニケーションの違いに関する調査結果を見てみましょう。

■「制度面」における早期離職スタッフと長期働いたスタッフの違い

まず公式な制度面では、「教育担当者」「全体ミーティング」「評価面談」「表彰制度」などに特徴が出ていました。教育担当者の指導については、前述の退職要因「②仕事中のコミュニケーション不足」を直接的に解決する対策であり、その場で教えられそうなベテランなどではなく、正式に教育担当者を割り当てられたほうがより多く早期離職を免れているといいます。
「正式に教育担当者を割り当てること」は、「②仕事中のコミュニケーション不足」を防止する上でも、スグに実行しやすい施策の1つと言え、有効な手段になるのではないでしょうか。

では、少し視点を変えて、もっと非公式なコミュニケーションの違いはどうでしょうか。

■「非公式コミュニケーション」における早期離職スタッフと長期働いたスタッフの違い

絶対数の多さで注目すべきは、「談話スペース(≒複数人で休憩できるスペース)」の有無でした。その場があることで、もう1つの要素である「上司(店長)とプライベートな話」がしやすくなます。その結果、お互いの理解が深まって、相互に仕事しやすい環境になっていると同時に、前述の発生してしまっている「①リアリティショック(入社前イメージ・想定とのギャップ)」を解消する場にもなっているのではないでしょうか。

前回記事でも触れていますが、仕事面だけでなく、プライベートな話も通じ、アルバイトさん1人1人が何を大事にして働いている事を知り、日常業務に活かすことは大変重要です。そのため、現在そういったスペースがないのであれば、「職場内を整理整頓して、談話できるスペースを作ること」は、「①リアリティショック」を解消する対策として、スグに実行しやすい施策の1つと言え、有効な手段になるのではないでしょうか。

 

まとめ

今回は「入社1か月以内」という早期退職の防止策について考えてみましました。

その中でスグに出来そうな対策として、まずは

  • 「①リアリティショック」解消 → 「職場内を整理整頓して、談話できるスペースを作ること」
  • 「②仕事中のコミュニケーション不足」防止 → 「正式に教育担当者を割り当てること」

をご紹介させていただきました。

とはいえ、お店や企業によって置かれている事情は異なります。「スペースそのものが無い」、「教育担当者に適した経験者が居ない」といったケースもあると思います。そんな場合は、本稿を参考にしていただきながら、

  • 「①リアリティショック」解消 → 休憩時間に近くの喫茶店を談話スペース代わりに、時にはアルバイトスタッフと仕事の悩み事とプライベートなど話をしてみる
  • 「②仕事中のコミュニケーション不足」防止 → 全体ミーティングを行い、予め新人さんの役割を明確にしておく

などの取組も有効なのではないでしょうか。

早期退職は、採用にかけた時間的・金銭的コストの多くが無駄になってしまうだけでなく、職場全体の士気も下げかねない事象です。より多くの方が、お互いに気持ちよく働いていけるようになるためにも、本稿が今後の参考になれば幸いです。

*photo / photo-ac.com

【出典】
パーソルグループ×東京大学中原淳研究室共同研究「アルバイト・パート成長創造プロジェクト」(2016)
「一般求職者調査/離職者調査」
http://rc.persol-group.co.jp/research/data/hitodata_009

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