データで知る。現場を悩ますアルバイト不足の背景とは?

昨今、新聞やニュースを賑わせている人手不足の話題。人手不足が原因で、お店を閉店せざるをえなかったり、新しいお店の計画が進まなかったり、店舗経営や事業経営にとって、見過ごせない状況になってきております。

採用現場の皆さんの苦労が深刻化している中、「ここ数年、アルバイト同士の紹介で採用していた」「人通りが多い立地なので、張り紙でアルバイトが集まってきていた」など、しばらく求人から遠のいていた店舗や企業の経営者や責任者の方にとっては、世間を騒がせている人手不足について「なんで、そんな状況になっているの?」と気になる事もあるのではないでしょうか?

本稿ではその人手不足の状況を、厚生労働省やパーソル総合研究所の各種データを参考にしながら、分かり易く紐解いていきたいと思います。

現場はどのぐらい困っているのか?

2016年1~2月にかけて行われたパーソル総合研究所が、外食・小売・運輸業の大手7企業の協力を得て行った調査によると、店長・管理者を対象に「店長・管理者が職場で感じている課題」について上位3点を挙げてもらったところ(店長・管理者調査)、2位に「人が採用できないこと」がランクインし、また、「休暇がとりにくいこと」「従業員がすぐ辞めてしまうこと」「職場で頼れるメンバーがいないこと」など人の採用や退職に関する課題への回答率が高い事が分かりました。

【出典】
パーソルグループ×東京大学中原淳研究室共同研究「アルバイト・パート成長創造プロジェクト」(2016)
「店長・管理者調査」 http://rc.persol-group.co.jp/research/data/hitodata_004

「採用できない」をデータで見ると・・・

日々、採用に頭を悩ませている現場ですが、その要因をデータで紐解いていきましょう。

【採用のしやすさ】=【働きたい人の人数】÷【募集する求人数】で決まるので、その2つの観点から見てみましょう。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」参考に見ると、

  • 【働きたい人の人数】2011年の685,694人をピークに、減少傾向。
  • 【募集する求人数】 1990年頃から増加傾向が続いており、現在がピーク。

という状況で、【働きたい人の人数】は減りつづけているが、【募集する求人数】は増え続けているため、より一層人手不足が加速している、という状況が見て取れます。

 

■アルバイト・パートの新規求人数/有効求職者数(年平均)

新規求人数が2009年頃落ち込んでいるのはリーマンショックの影響ですが、その後、ハイペースで求人数が伸びているにも関わらず、実際にアルバイト・パートの就職に至った件数そのものも減っているのが実情です。

 

■アルバイト・パートの就職件数(年平均)

人手不足の結果、何が起こっている?

上記のように採用状況が難しくなっている中で、影響を受けているデータの1つに「時給」が挙げられます。「an report」の平均時給レポート(https://weban.jp/contents/an_report/repo_cont/heikin/)では、2009年6月以降の全国5エリアの平均時給を、月1度の定例でお知らせしておりますが

  • 2014年9月:962円
  • 2015年9月:978円
  • 2016年9月:1,003円

と同じ9月比較で大幅な上昇を続けており、2017年9月においても最低賃金の改定も相まって、今後も継続的に時給の上昇の可能性が高い状況が続いています。 ※2017年9月度の平均賃金レポートは、10月後半の公表予定

継続的に時給が上がる一方で、2017年8月公開の“『an』の営業が考える「超・バイト採用難時代」に今すぐすべき対策”
(https://weban.jp/contents/an_report/repo_cont/trend/20170821.html)では、「時給を上げても、条件を緩和しても、採用難が続いている」という状況が語られており、今後もその傾向はつづく可能性があり、より一層、事業者側の採用に関する工夫が求められる社会環境になっていると言えるでしょう。

まとめ

今回は、「データ」の観点から、人手不足の背景とその理由をご紹介しました。

アルバイト・パート市場では

  • 【働きたい人の人数】→ 少子高齢化等の影響で減り続ける
  • 【募集する求人数】 → 雇用の流動化等の影響で増え続ける

という傾向が今後も継続されることは想像に難くありません。

店舗・事業の継続的運営を実現するためには、採用は「難しい」という事を前提に置いた上で、人材確保における

  • 入口となる「採用」のあり方は従来通りで良いのか?お店の魅力は伝えられているのか?
  • 出口となる「退職」をどれだけ減らせるか?定着・育成に力を注ぐのか?

といった観点も非常に重要になり、より多面的に人材確保を考える必要があるのではないでしょうか?

本稿が今後の参考になれば幸いです。

*photo / photo-ac.com

 

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