「早朝バイト」を選ぶ求職者はどのような人か

人手不足と言われて久しい昨今ですが、早朝や深夜帯のアルバイトはより人手が集まりにくいのではないでしょうか?そこで、「早朝・深夜帯」の時間にフォーカスして、学生、フリーター、主婦、シニアの方々に対してアンケートを取りました。果たして、どの求職者属性の就業意向が高いのか、そして具体的に何を重視してアルバイトを探しているのでしょうか。
全二回連載でお届けする今回は「早朝アルバイト」編です。自社の早朝シフトの採用ターゲット選定や、募集条件などの参考にしてください。

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INDEX

調査概要

【調査地域】全国(インターネットリサーチ)
【調査対象】15-79歳でアルバイト経験がある人
【調査期間】2016年10月7日~10月11日
【有効回答数】1,568サンプル(そのうち、学生:400サンプル、フリーター400サンプル、主婦:400、シニア:368サンプル)
※「早朝アルバイト」の定義は、「午前2時~7時に開始するアルバイト」としました。終了時刻は定義には含めておりません。

1. 就業意向が高いのはどの属性?

はじめに、求職者属性を「学生」「フリーター」「主婦」「シニア」と分けて、属性ごとに早朝アルバイトを希望する人の割合を調べました。

アンケートの結果、早朝アルバイトを希望する属性で最も多いのは学生、次いでフリーターとなりました。早朝アルバイトをしたいと「思う」と「まあまあ思う」を加えると、いずれも30%強の割合となります。主婦で早朝アルバイトをしたいと「思う」と「まあまあ思う」と回答した人はやや減って24%、シニアでは学生・フリーターの約半分の14%となりました。

単純に割合だけで見ると学生・フリーターが採用の狙い目だと言えますが、早朝アルバイトについて希望する勤務条件は属性ごとにやや異なります。自社にあった人材を採用するためにも、主婦・シニアを含めた各属性の志向性を理解しておくことが人手不足解消の鍵になると言えます。次章から、早朝アルバイトを希望する割合が高い属性順に、希望条件などを詳しく見ていくことにしましょう。

【学生編】(就業希望率32%)早朝アルバイトを希望する学生とは?

<早朝就業希望データ(学生)>

学生が早朝アルバイトを選ぶ理由を見ると「時給などの条件の良さ」が第一で、その割合はフリーター(49%)に次いで二番目に高い割合となりました。回答者のフリーコメントを見ると「収入が高いと短時間労働で済む」「あまり頻繁に働く時間がない」という声が見られました。

希望する働き方を見ると、学生では他の属性よりも「週の希望シフト数」がやや少なく、「2日希望」が最多。次いで多い「1日希望」と合わせると過半数を超えます。さらに「就業希望期間」は、全属性の中で最も短い「1か月~半年」。つまり、学生が希望するシフト数は少なく、働く期間も短いのです。就業希望開始時間を見ても「6時」が最多となっており、他の属性で多い「5時」よりもやや遅めです。

これらのことから、学業やサークル・部活動に忙しい学生や、自分の時間を十分に取りたい学生が、時給の高い早朝のアルバイトを希望するケースが多いことが考えられます。学生は学業が本分であるため、早朝アルバイトが学業に支障が出ないようしたい人が多いものと見られます。回答者のコメントでも、「1日の始まりから疲れきってしまっては困る」という意見がありました。

<経験者に聞いた 早朝アルバイトをして良かったこと>

  • 部活動で日中忙しい中で、収入を得られること。
  • お金が高く、時間が短いのでその後の時間を有意義に使える。

<想定される求職者像>

日中は学業もサークル活動なども忙しいため、週に1~2日でも良いから朝の時間を使って賢く稼ぎたい。通学に利用する駅や自宅から近い、カフェやコンビニでアルバイトをした後、そのまま一限目や二限目の授業に出席。学業に支障が出ないようにシフトは少な目にして、あまりに早い時間のアルバイトや、キツイ仕事はなるべく避けたい。

【フリーター編】(就業希望率30%)早朝アルバイトを希望するフリーターとは

<早朝就業希望データ(フリーター)>

フリーターが早朝アルバイトを選ぶ理由を見ると「時給などの条件の良さ」が1位で、全属性の中で最も高い割合です(49%)。今のアルバイトに加えて早朝バイトをWワークとして開始したい人も比較的多く、全体として、生活を維持・向上するために時給の良い早朝アルバイトを選ぶケースが多いと考えられます。

今回対象としたフリーター(15~34歳)を年代で2つに分けると、働き方の傾向が分かれます。まず、15~24歳の場合、希望シフト数で多いのは「3日」。これらのフリーターは、時給の高い朝の時間で最低限の収入を確保しながら、空いた時間で自分の好きな活動をしたいと考える人が多いと考えられます。一方、25~34歳のフリーターでは、希望シフト数は「5日」、かつ就業希望期間も「3年以上」が多く、さらにWワークとして早朝のアルバイトを選ぶ人がやや多いことからも、できるだけ多くの生活費を稼ぐために早朝アルバイトを選ぶ人が多いと考えられます。

フリーター全体に共通していることでは、就業希望開始時間は「5時」が最多ですが、さらに早い「2時」を選ぶ人も多いのが特徴で、最も生活時間が柔軟な属性がフリーターだと言えます。就きたい職種として「コンビニ」が最多ですが、より勤務開始時間が早い「新聞配達」のアルバイトを希望する人もフリーターでは多くなっています。

<経験者に聞いた 早朝アルバイトをして良かったこと>

  • 昼間はフリーなので家の事や趣味に時間が使える。市役所などの平日の午後5時までしかやってないところにも行ける。
  • 早朝は営業開始前の準備や掃除がメインだったので、お客さんの相手をせず、黙々と作業ができた。
  • やはり時給がいいこと。あと単純作業でコミュニケーションがあまり必要なかったこと。
  • Wワークとして朝にアルバイトを入れると安定して副収入が入る

<想定される求職者像>

【タイプ①(15~24歳)】

午後や夕方は好きな活動や自分の自由な時間に充てたいので、時給の高い朝を活用して、週3日程度のアルバイトで済ませたい。

【タイプ②(25~34歳)】

現在アルバイトで生計を立てているが、もっと収入を増やすために、空いている朝の時間にもう一つアルバイトを入れたい。できれば週5日のシフトをできるだけ長く続けたい。

【主婦編】(就業希望率24%)早朝アルバイトを希望する主婦とは

<早朝就業希望データ(主婦)>

主婦のアンケート結果を見ると、年代によって早朝にアルバイトを選ぶ理由に違いが見られました。「子育て世代」が多いと考えられる20~30代の主婦では、早朝アルバイトを選ぶ理由の1位は「時給などの条件の良さ」ですが、「子育てがひと段落した」人が多いと考えられる40~50代の主婦では「日中の時間を有意義に使う」を選んだ人が多くなりました。

20~30代の子育て主婦は、家計のために収入を得たいものの、働ける時間が他の属性よりも限られている関係上、時給や日給の高さを特に重視しています。全属性の中で、「この時間にしかアルバイトができない」と最も多く回答したのが20~30代の主婦であり、この層の早朝アルバイトニーズは比較的高いと考えられます。

40~50代の主婦では、「時給の高さ」よりも「自分にもできそう」なことを重視します。この年代では、希望職種「コンビニ」よりも「厨房、キッチン」を希望する人が多く、主婦ならではの家事経験を活かした仕事探しをするようです。「終業」希望時間で「7時」が多いのもこの年代の主婦で、体力的に無理せず続けたいことが見受けられます。また、職場の雰囲気の良さや、仕事のやりがいを重視するのがこの年代の主婦の特徴です。

<経験者に聞いた 早朝アルバイトをして良かったこと>

・朝ごはんまでに帰ってこれるし、日中を有意義に過ごせる。
・子どもが寝てる間だから、わりとシフトでこの日はダメというのがない。
・昼間子供と過ごすことができる。
・現在している早朝パートは9時までなので家の事と両立しやすい。

<想定される求職者像>

【タイプ①(20~30代)】

家計のために働きたいけど、子供がまだ小さいので長い時間は働けないし、子供の急な発熱の時にも休みたい。朝は夫に家事と子供の世話をしてもらって、短時間でも時給が良い自宅近くのコンビニなどで働き、帰宅後は子供と過ごしたい。

【タイプ②(40~50代)】

子供の手が離れたので一日の時間がある。朝の少しの時間を使って、自分でもできそうな料理の腕を生かした飲食店の仕込みのパートや、近くのコンビニで楽しく働きたい。午後は家事の時間に充てたり、自分の時間を充実させたい。

【シニア編】(就業希望率14%)早朝アルバイトを希望するシニアとは

<早朝就業希望データ(シニア>

シニアの年代(60歳~)の早朝アルバイトを選ぶ理由の1位は「日中の時間を有意義に使えるから」となり、全属性の中でも最も高い割合(66%)となります。「時給などの条件の良さ」は早朝アルバイトを選ぶ二番目の理由となっていますが、その割合は最も低く21%。学生のような若い世代と比べて、早朝アルバイトに対する考え方がはっきりと異なります。また、「朝早い時間は体質的にあっている」というコメントも見られたように、朝早く起きることを得意とする人が多いのがシニアの特徴だと考えられます。

シニアのアルバイト選びでは、年齢・体力的な理由から、働く時間帯に関わらず「自分にもできそう」なアルバイトを選ぶ傾向が見られますが、「普通は余り活動に適した時間帯でないので、簡単な仕事が良い」というコメントがあったように、早朝の場合はより単純作業を求める人が多いものと考えられます。希望する就業期間で「3年以上」を選んだ割合が最も高いのがシニアです。

希望する職種も他の属性とは異なっており、若い世代に人気の「コンビニ」や「カフェ」を希望する人が少なく「配送、引越し」「厨房、キッチン」「警備員」が人気です。健康維持のためにも、短時間で軽く体を動かすような仕事で、自分にもできそうなものを無理なく続けたいと思う人が多いものと考えられます。

<経験者に聞いた 早朝アルバイトをして良かったこと>

  • 昼間に在宅できるので、子供たちや孫と交流や宅配便の受け取りができる。
  • 地域の行事に参加できる。洗濯など家事がきちんとできる。
  • 働く人数が少ないので人間関係に気をつかわなくて済んだ。
  • 朝が早いと生活のリズムが取り易い。

<想定される求職者像>

健康維持の意味でも、朝の時間を使って自分でもできそうな仕事をしたい。午後は趣味の時間に充てたり、孫や友人との交流を楽しみたい。

まとめ

早朝アルバイトを選ぶ理由はどの属性でも「時給などの条件の良さ」が多い(最低時給プラス200円が目安)。主婦(40~50代)、シニアでは時給の比重がやや下がり、「日中の時間を有意義に使う」ことが最重要視される。希望する就業時間帯やシフト数、働く期間は属性によって異なるため、主婦・シニアを含めた各属性の条件を理解して自社のアルバイトにあった属性を検討しておきたい。

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