アルバイトが集まらない人手不足の時代、企業の人材確保の対策とは?

景気回復の影響から、人手不足が深刻化している。厚生労働省が発表した2014年6月の有効求人倍率(季節調節値)は1.10倍と前月より0.01ポイント上がり、1992年6月以来、22年ぶりの最高水準となった。

人手不足は、既存スタッフの負担増やサービス品質の低下など、さまざまな問題の原因となりかねない。そこで今回は、非正規社員の採用担当者約3700人に、人材不足が叫ばれる昨今の状況をどう捉えているのか、そしてどのような対策をとっているのかを伺った。調査結果をもとに、人材確保への解決策を探っていきたい。

INDEX

調査概要

【調査実施】2014年6月
【調査方法】インターネットリサーチ
【調査対象者】全国の非正規社員(アルバイト・パート、派遣・契約社員)採用担当者
【サンプル数】3,794名※各サンプル数は各グラフの中のn参照

1 非正規社員の採用は難しくなっている

読み取れるポイント

  • 現在、7割弱の採用担当者が採用活動を「難しい」と感じている
  • そのうちの約半数は、2013年の3月以前と比較して採用が「より難しくなっている」と回答しており、人手不足な状況がうかがえる

非正規社員の採用は難しくなっている | 【グラフ1】2013年4月~直近までにおける採用難易度の印象

【人材確保への解決策】

これまでとは異なる採用活動が必要に

旧態依然の採用活動をしていたのでは、必要な人材を確保することは困難になってきている。待遇面を改善したり、これまで以上に広範囲の求職者へアプローチしたりする必要がありそうだ。
次の章より、調査結果から見えてきた「人手不足解消のヒント」を紹介する。ぜひ参考にしてほしい

2 人材確保のための対策は「募集期間の延長」「待遇の改善」

読み取れるポイント

  • 人材確保のために「募集期間を長くする」「募集回数を増やす」が最も多く採用されている
  • 時給の見直しを含め、募集方法の変更や採用ターゲットの拡大など、各企業がさまざまな施策を並行して行っている

人材確保のための対策は「募集期間の延長」「待遇の改善」 | 【グラフ2】非正規社員の採用を確保するために行っていること

【人材確保への解決策】

給与アップだけでは、人手不足を解消できない

人手不足の状態が長引き、今年は積極的な採用活動を継続している企業が多い。それに伴い、平均時給は対前年同月比で9ヵ月連続のプラスとなっている(2014年5月集計)。「フード系」にいたっては29ヵ月連続プラスを記録し、「サービス系」では11ヵ月、「事務系」では5ヵ月連続で前年比プラスとなり、時給相場の上昇が続いている状況だ。

しかし、給与額は上昇しているにもかかわらず、人手不足は解消されていない。そのため、募集回数を増やしたり募集期間を長くしたりすることで、常に求人活動を行っている企業が多い。また、実務経験などの採用条件や募集のターゲット層を見直すケースもあるようだ。

3 企業はさまざまな方法で求職者へのアプローチ

読み取れるポイント

  • 最も多い採用方法は「ハローワーク」で、4割以上の企業が利用している
  • 求人サイトや自社ホームページなど、多くの企業がWebを使って採用活動を行っていることがわかる
  • スタッフや知人からの紹介で採用している企業も多い

企業はさまざまな方法で求職者へアプローチ | 【グラフ3】採用活動時に利用した採用方法

【人材確保への解決策】

知人・既存スタッフを介したアプローチやSNSも一案

さまざまな媒体や手法を用いて採用活動を行いつつ、紹介による採用に力を入れている企業も多いようだ。普段から従業員や知人に採用ターゲットとなる属性やスキルを伝え、適した人材がいれば紹介してもらえるように心がけたい。紹介者制度を充実させることで、「誰かに声を掛けてみよう」というモチベーションアップにつながるだろう。

また、インターネットを活用する採用活動の中でも、近年はSNSを生かした採用活動が注目を集めている。現在、採用活動における企業のSNS利用率は3.1%にとどまっているが、将来的には利用したいという回答も見られた。

4 既存スタッフの囲い込み・定着を図る対策「正社員化」

読み取れるポイント

  • すでに正社員化を実施している企業が35%以上あり、検討している企業も含めると、全体の半数を越えている

既存スタッフの囲い込み・定着を図る対策「正社員化」 | 【グラフ4】 既に採用をした非正社員(アルバイト・パート・契約社員)を、正社員化するということを、検討・実施しているか

【人材確保への解決策】

既存スタッフに定着してもらうために、正社員化を視野に入れたい

人手不足が叫ばれる今、非正規社員を正社員化する動きが出ている。1万6000人のパート・アルバイト従業員を正社員化する方針を打ち出したファーストリテイリングや、パート従業員の雇用期間を無期限にすると共に、待遇も正社員と同等にすると発表したイケア・ジャパンなどが注目を浴びている。

正社員化を進めている企業にその理由を聞くと、「安心して責任ある仕事を任せられるから」(IT/通信)「能力の高いパートを確保するため」(メーカー)といった、優秀なスタッフの定着を図るためという回答が目立った。

また、「正社員になる可能性があれば、モチベーションが上がると思うから」(教育)「本人の知識やモチベーションが高まり、やる気がさらに出るため」(小売業)といったように、モチベーションアップへの期待も大きい。

派遣法の観点から、長期雇用した派遣社員の正社員化を採用フローに組み込む企業も多く見られた。人手不足の解消法の一つとして、既存スタッフの正社員化も視野に入れておきたい。

人手不足を解消するためには、既存スタッフの離職率を下げることも大切だ。anレポートでは過去に、既存スタッフの離職防止に役立つノウハウを紹介しているので参考にしてほしい。

vol.75 : PDFダウンロード

 

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[出典記載例] 出典:求人情報サービス an / an reportより(該当記事URL)

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