若年層白書2015若年層白書 若者のすべてを徹底解剖!
2015

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アルバイトの選び方

メリットのある働き方を希望する忙しい若者

アルバイトの選び方も、近年変化しています。若者の忙しさや時間に対する感覚も変わり、アルバイトに求めることや、探し方も変わってきました。この章では、若者のアルバイトに対する志向性を知り、雇用側とのよりよいマッチングを考えるために、若者のアルバイトの選び方を見ていきます。

(1)若者のアルバイトの志向性

  • 1若者は勉強と趣味・娯楽に忙しくなっている
    若者の本分である「学業にかける時間」は、増加しています。同時に、多様化が進む「趣味・娯楽にかける時間」についても増加しており、若者は忙しくなってきていると言えます。
  • 2アルバイト探しの際に最も気にするのは「シフトの融通」
    忙しい若者がアルバイト探しの際に最も気にする点は「シフトの融通がきくこと」です。学業との両立、用事や趣味などの都合で休みの交渉ができること、忙しさに合わせてシフトを組める頻度が変えられることなどを指しています。アルバイトを大事なものだと思っているからこそ、「“自分にとって大切な他のこと“と両立ができるかどうか」を事前に確認しているようです。
  • 3貴重な時間を割くアルバイトには「効率」重視の考え方
    貴重な時間を割くため、アルバイトも労力に見合う効果があるかを吟味します。「ラクで時給の高い」アルバイトは、当然効率の良いアルバイトとみなされます。しかし“効果”は「時給の高さ」だけではありません。たとえ大変でも「働いていると自分のイメージが良くなる」アルバイトは効率が高いとみなされます。ほかにも、「おしゃれな仲間と楽しく働ける」「将来の仕事・就職につながる」「マナーや素敵な立ち居振る舞いが身につく」「人から感謝される」アルバイトなどが人気です。自分にとってメリットを感じるアルバイトは、たとえ大変でも頑張ろうと思う傾向にあるようです。
  • 4「経験が将来・就職につながる」なら頑張りたい
    大変でも頑張るアルバイトとして最も人気が高いのは、「将来・就職につながるアルバイト」です。特に18歳~20歳で人気が高く、就職活動を意識していると思われます。アルバイトブランドランキングで1位の「スターバックスコーヒー」は、顧客に合わせたオリジナルの接客力が「就職活動に強そう」といった若者の声もあがっています。直接就職につながらなくても、「得られる経験に将来につながる価値がある」ことが重要なようです。
  • 5「楽しんで働ける」なら頑張りたい
    大変でも頑張るアルバイト人気2位は「同僚の仲のいいアルバイト」。人気職種1位の「カフェスタッフ」も「同僚の仲がよさそう」といった若者の声が多くあがっています。それと同時に「カフェスタッフ」は、おしゃれなイメージの人気が絶大です。貴重な時間を楽しいと感じることが重要なようです。

若者の時間若者の時間

学業、趣味・娯楽時間の推移

学業にかける時間(分)

学業にかける時間 図

趣味・娯楽にかける時間(分)

趣味・娯楽にかける時間 図

出典:総務省統計局「社会生活基本調査」

15-24歳の若者において、
学業、趣味・娯楽の時間は増加傾向にあります

バイトの希望実態アルバイトの希望実態

アルバイト探しの重視点
若者がアルバイトを探す時の重視点
(とても重視する~まったく重視しないの10段階中、「10.とても重視する」+「9.重視する」のスコアを加算)

top10

若者がバイトを探す時の重視点 top10! 図

忙しい分、シフトの融通度と時給の高さを
気にしている人が多いです
アルバイトの希望
バイトの希望 図
働きたいアルバイト先
働きたいアルバイト先ランキング(大変さ×時給の高さ)
(とても重視する~まったく重視しないの10段階中、「10.とても重視する」+「9.重視する」のスコアを加算」)

高時給 図

低時給 図

大変でも働きたいアルバイト先
(「時給は低いけれどラク(ひま)なアルバイト」より「働きたい度」が高いもの)
大変でも働きたいバイト先 図
大変でもメリットを見出せるアルバイトは、
時給が低くてラクなアルバイトより人気が高いです
人気アルバイト
アルバイトの人気ブランド Top20

大変でも働きたいバイト先 図 大変でも働きたいバイト先 図

1位は「スターバックスコーヒー」

「憧れのブランドで働いていることで自分のイメージがよくなる」
「おしゃれな同僚と一緒に働きたい」など、おしゃれなイメージに人気が集まっているようです

バイトの人気職種

バイトの人気職種 図

職種別で見ても、おしゃれなイメージのカフェ、若い
うちからオフィスで働ける事務職などの人気が高いです

(2)若者のアルバイトの探し方

  • 1知りたいことがあればすぐスマートフォンで検索
    若者がアルバイトを知るきっかけとして最も多いのは、求人サイトです。スマートフォンが普及し、わからないことがあれば“スマホで検索する”ことがスタンダードになっています。同じ感覚で、アルバイトもスマートフォンで検索をする人が半数以上になっています。
  • 2WEBだけではなく複数の情報を収集
    スマートフォンで得た情報だけではなく、「友人・知人・家族からの情報」「お店の貼り紙」など、複数の情報を集めて判断する人も多いです。スマートフォンで求人情報を確認し、直接お店へ行って従業員の雰囲気などを確認するような行動もそのひとつです。
  • 3失敗をしたくないので、
    少しでも不安なことがあればリスク回避
    WEBで検索をしたり、周囲の話を聞いたりすると、アルバイト選びを失敗した人たちの話も多数出てくるため、不安感が増します。その情報として、最も注目が高いキーワードが「ブラックバイト」です。少しでも「ブラックバイト」かもしれないという疑惑があると、約半数にそのアルバイトを避ける行動が見られます。

探し方探し方

アルバイトを知ったきっかけ

2013年 2014年 2015年 単位は %

  • WEBの求人サイト(スマートフォン・携帯・PCなど)で見つけた
  • 駅のフリーペーパー・コンビニの求人誌で見つけた
  • 友達から勧められた
  • よく見る(行く)お店に張り紙があった
  • 親から勧められた
  • 家族・知人が働いていたから
  • 新聞の折り込みチラシで見つけた
  • よく見る(行く)お店のWEBページで知った
  • 兄弟姉妹に勧められた
  • WEBで誰かが書いていたので知った

きっかけ 平均1.6個 利用求人サイト 平均2.9サイト

※2015年8月an調べ

スマートフォン所有率の伸びもあり、
求人サイト利用が約6割を占め、1位

複数のきっかけからアルバイトを知り、複数の求人サイトを利用するのがスタンダードです。

アルバイト探しの時に、本当に知りたい情報
  • アルバイト先がどんな雰囲気なのか知りたいので、飲食店の場合は実際に行ってみたりする。スタッフが楽しそうに働いていると、安心して応募できる。(大学1年生)

  • 実際どんなところでどう働くか知りたいので、複数の求人サイトを見て、できる限り実態がわかるように情報収集する。(大学2年生)

  • みんなが笑顔でピースしている写真が多いけれど、「本当かな?」と思う。自然な姿が見たい。(大学1年生)

  • おいしすぎる条件は疑ってしまう。その条件になる理由がわかれば安心する。(大学3年生)

実態がどうなっているのかを知るために
複数の情報を探す傾向が見られます

ブラックバイトブラックバイト

ブラックバイトの意味
2015年現在の「ブラックバイト」とは
狭義には、学生が、学生らしい生活を送れなくなってしまうアルバイトのこと。大学の授業や試験期間に配慮しないで本人の希望を無視したシフトを組んだり、長時間労働を強いたり、学生には重すぎる責任やノルマを課したりする事例が見られる。さらに悪質な場合には違法な長時間労働、残業代(サービス残業)・割増賃金不払い、労働時間に応じた休憩時間を与えない、などの事例が見られる。広義には、学生だけでなく、近年、アルバイト雇用者全体の問題として捉える方向になってきている。
背景
ブラックバイトが横行する背景には、下記のようなケースが多いと考えられる。

【雇用する側】

フルタイムで働けるフリーターと同じ働き方を学生アルバイトに求める

【雇用される側】

①辞めるのに躊躇する理由がある  ・長引く不況で、自分でアルバイトをして学費や生活費を払う学生が増え、アルバイトを辞めると困る
・次のアルバイトが見つかるかに不安がある(フルタイムで働けるフリーターの存在)など

②労働法についての知識不足につけこまれる

参考:大内裕和・今野晴貴「ブラックバイト」2015堀之内出版

・大内裕和「学生たちを悩ませる「ブラックバイト」の実態―企業が注意すべきことは」2014 an report
https://weban.jp/contents/an_report/repo_cont/pro/20140303.html

・ブラックバイトユニオン「ブラックバイトとは?」
http://blackarbeit-union.com/aboutUs/aboutBlackarbeit/index.html

「ブラックバイト」のイメージ
どんなバイト先が「ブラックバイト」だと思うか? Top30

「ブラックバイト」のイメージ 図

具体例よりも、報道で取り上げられた
企業・業界・職種によってイメージ付けされています
「ブラックバイトかもしれない」と感じる時

「ブラックバイトかもしれない」と感じる時 図

“ネット検索時に「ブラック」と出てきた時“など、
わずかな情報でも疑惑を感じる人が多いです
「ブラックバイトかもしれない」と感じた後の行動
  • 「ブラックバイトかもしれない」と感じた後の行動 図
  • 「ブラックバイトかもしれない」と感じた後の
    わずかな情報でも疑惑を感じる人が多いです行動ランキング

    「ブラックバイトかもしれない」と感じた後の行動ランキング 図

少しでも「ブラックバイト」の疑いがあれば、
応募を避ける人が半数存在します
「ブラックバイト」に就業しないために何をしたらいいと思うか

就業前

「「ブラックバイト」に就業しないために何をしたらいいと思うか 図

就業後

「「ブラックバイト」に就業しないために何をしたらいいと思うか 図

大人※=アルバイト・新卒採用に関わった人

就業前に情報収集することが「ブラックバイト」
就業回避に重要だと考える人が最も多いです

コラム〜人気の高い職種と満足度の高い職種〜コラム〜人気の高い職種と
満足度の高い職種〜

人気の高い職種以外にも「満足度の高いアルバイト」というものが存在します。満足度が高い職種は、採用時に人と仕事のマッチングがうまくいっていると言えます。しかし人気が比例していない場合、募集時にあまりメリットが伝えられていない可能性があります。ここでは、あまり知られていないけれど、実は満足度が高い職種と、その理由を見ていきます。

  • 1人気ランキングでは目立たなくても満足度が高い職種は、「塾・家庭教師」「アパレル販売」「ナイトワーク」
    満足度の高い職種を見てみると、人気職種ランキングよりも上位に位置している職種が多数見られます。Top5に入るのは、「塾・家庭教師」「アパレル販売」「ナイトワーク」。Top10内では「郵便スタッフ」「居酒屋のホールスタッフ」「ファストフード」「ファミレススタッフ」も挙がってきます。
  • 2上位3職種に共通する点は、“自分の努力”への満足感
    「塾・家庭教師」「アパレル販売」「ナイトワーク」に共通している満足点は自分の努力への満足感でした。いずれも、自分が働いた成果が、数字や評価で目に見えて出てきやすい職種であるため、自分の成長や自信などにつながった人が満足している様子が見受けられます。
  • 3フード系職種に共通するのは、“一緒に働く同僚”への満足感
    「カフェスタッフ」「居酒屋のホールスタッフ」「ファストフード」「ファミレススタッフ」などのフード系職種は、人間関係の雰囲気の良さが満足感につながっている様子が見られます。募集時に必要なのは、「自分が、この輪の中に入ることができそう」と思ってもらうことです。おしゃれな雰囲気・楽しそうな雰囲気は人気ですが、それよりも実際にどんな人がいて、どんな職場なのかを知りたがります。働いてからは、人間関係が円滑になるような環境・仕組みも重要です。また、一から雰囲気をつくれる「オープニングスタッフ」は、若者のあいだで人気です。円滑な人間関係のもとでどのように働けるのかを、募集の時点でイメージしてもらうことが人気のアップにもつながりそうです。
  • 4「事務」「イベント・キャンペーンスタッフ」「郵便スタッフ」に共通するのは“条件”への満足感
    オフィスワークである「事務」、短期間のイメージがある「イベント・キャンペーンのスタッフ」「郵便スタッフ」は条件がポイントです。オフィスワーク、短期で働きたい、など優先事項が決まっているためと思われます。さらに人気をアップさせるためには、募集時に、職場の楽しさ、メリットなど、その企業独自の特色をアピールすることが有効そうです。
人気職種と満足職種ランキング
人気職種ランキング

人気職種ランキング 図

満足職種ランキング

満足職種ランキング 図

人気職種ランキングでは目立たなくとも、
満足度が高い職種があります

上位で目立つのは「塾・家庭教師」「アパレル販売」「ナイトワーク」です。

満足度の高い職種の満足理由

満足度の高い職種の満足理由 図

「塾・家庭教師」「アパレル販売」「ナイトワーク」で
共通する点は、“自分の努力”への満足感です

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