連載コラム

ミッツ・マングローブの
シゴトの美学

第1回(全12回)

バイトもシゴトも「気転」がすべて

「できる人」=行動の先回りができる人

小・中学生と父のシゴトの関係でイギリスに住み、高校と大学は日本の学校に通いました。高校時代は家庭教師のバイト、大学時代はウェイター、ドアマンなど超短期から長期バイトまでいろいろ経験しましたね。どのシゴトも共通して言えるのは、「できる人って行動の先回りができる」ということ。

たとえば、レストランのウェイターは、作業がある程度ルーティン化されていて、お客さまがいらしたら、おしぼりとお茶を出して注文を受けて……とやることは一緒。だけど「気転を効かせられる人」がお店に立つと、フロアやキッチンが円滑にまわり始めるんですよね。何が違うって、「料理を運んで、バックヤードに戻ってくるときに、手ぶらじゃ帰らない」とかね。ササッと空いたお皿を片付け、灰皿を取り替え、お水をグラスに満たす……。単純なことだけど、それができる子とできない子じゃ雲泥の差。バイトしていたお店は、新横浜の駅ナカにあって、新幹線が到着するたびにドッと人が押し寄せ、オフィス街だからランチタイムはいつもごった返す。自分で言うのもナンですが、私は割とシゴトができるほうでしたよ。

ひとりよがりではダメ、なんだよね

……なんて、自信満々に言ってはみたものの、昔から体力がなくて基本的にはナマケモノです。夏休みの宿題は前日にしかやらないタイプだしね。バイトも、どうすれば一番効率が良く、1分でも多くサボれるか、なんてことばかり考えていました。5分も10分かかる面倒なシゴトをあえて引き受け、アッという間に済ませてしまって、余裕があればバックヤードでひとやすみ。あるいは、この時間帯ならゴミを出しに行くついでに、タバコ1本吸えるな~とか、かなり細かく計算するんです。サボるにもコツがいりますからね。

バイトに限らず、シゴトは目先のことや自分のことだけ考えていちゃ務まらないんですよね。サボりたいなら、2歩3歩と先を見通さないと。でないと、後でとてつもないシワ寄せがくるし、周りに迷惑がかかります。守備範囲は360度、耳は「ダンボ」で、常に想像力をはたらかせながら動くこと。今思えば、人や空間を俯瞰する目が養えたのは、バイトがきっかけだったかもしれません。なんて……私、真っ当なこと言ってる(笑)

おすすめコンテンツ