an weekly CoverInterview web edition: 「 an weekly 」の表紙を飾る有名人に“仕事観”を聞いた本誌人気のコーナーがWEBに登場!あの人の意外な素顔をチェック!!

このインタビューも掲載されている 今週の「an weekly」は、5月14日(月)発売
俳優 矢野 聖人 Masato Yano
Masato Yano PROFILE  やのまさと 1991年12月16日生まれ、東京都出身。2010年、ホリプロ創業50周年事業『身毒丸』オーディションでグランプリを受賞。昨年夏に公演され、話題となった。代表作は『GOLD』(フジ系)、映画『天国からのエール』など。DVDでは舞台『身毒丸』(2011年公演、ポニーキャニオン)、初の写真集『YANO MASATO BOOK』(宝島社)ともに好評発売中。
周りの人に支えられ「僕」が成り立っている だからこそ、自信とプライドを忘れずに進んでいきたい
2010年、8523人が参加した舞台『身毒丸』オーディションでグランプリに選ばれたシンデレラボーイ・矢野聖人が、anに初登場。20歳という若さ、そして華奢で繊細なルックスとは裏腹に、熱い闘志をみなぎらせている。期待の大型新人、俳優・矢野聖人から一瞬たりとも目が離せない。

蜷川さんのこと
知りませんでした

 高校時代、読者モデルをしながら飲食店でアルバイトをしていました。大学に進学するかどうか、ギリギリまで悩んだ末「目的がないのにとりあえず大学に行くのならば、はたらいて少しでも親孝行をしたい」という考えにたどりつきました。高校卒業後もバイトを継続していたのですが、あるとき「僕はこのまま飲食店の社員になるのだろうか」とふと考えたのです。同時に「なにかやりたいことを見つけたい」という思いを抱くようになりました。ちょうどそんなとき、舞台『身毒丸』のオーディションの話が舞い込んできたんで

す。現在のマネージャーさんが、僕が読者モデルをしている雑誌を見たのがことのはじまりです。一度会いましょう、と連絡をいただきました。そのときは「やったあ! ホリプロに入れる!」という気分。1年間読者モデルをやってきた甲斐があったな、と喜んでいました。なのに、目の前に出されたのは『身毒丸』のオーディション用紙。「このオーディションを受けてほしい」と言われて、戸惑いました。だって当時の僕は『身毒丸』を見たこともないし、演出家の蜷川幸雄さんのことさえもまったく知らなかった。でも、トライしてみて損をすることはない。同世代の夢を追いかける人たちの姿も見てみたい、という気持ちもあり、オーディションを受けることを決意しました。




「バカ! 脳なし! 帰れ!」
毎日怒られていました

 実際、オーディションでは、緊張しすぎて同世代の子たちをじっくり観察するどころではありませんでした。会場は超ピリピリムード! 蜷川さんや前回の『身毒丸』を演じた藤原竜也さんに憧れて受けに来ている人がいっぱい。みんなの気合いは…すごかった。一部で有名な話ですが、切迫した空気のなか、僕、控室で寝ていたんです。もちろん本気で熟睡していたのではなく、あえて寝たふりです。周りを見てしまうともっと緊張してしまうから、強がっていたんです。実は、寝たふりをしている僕の手からは、汗がふき出ていました。心臓に悪すぎます! 恐ろしいほどの緊張とは打って変わって、その場に行くまで蜷川さんのことは知らなかった。もし、知っていたらもっと緊張して心が押し潰されてしまったかもしれないですね。グランプリの発表は、ドラムロールが鳴り響くでもなく、蜷川さんからあっさり、「じゃ君で」みたいな感じでした(笑)。それでも涙が出ました。うれしかったなあ。その後、全体の稽古がはじまるまで、蜷川さんから、マンツーマンで指導を受けました。灰皿が飛んでくるという噂も聞いていたので「なにをされるのだろう! 怖い!」という気持ちで挑んだのですが…。案の定怖かった(笑)。髪を後ろから引っぱられて、もう片方の手には火のついた新聞紙が! 炎を顔に近づけられて「セリフを言ってみろ」です。そのときにやっていた『弱法師』という作品で〈僕はこの世の終わりを見た。炎が目に飛び込んできた〉というセリフがあり、どうしても意味をつかめなかったんです。蜷川さんは「お前はわかっていないから具体的にやってやる! この気持ちを覚えろ! 火が目の前にある怖い、痛い、その感覚を覚えろ!」と。「脳なし」「バカ」「帰れ」などなど、毎日怒られっぱなし。僕は、どうやら追い込んだほうがいいと判断されたみたい。そのお陰でつかめたものがたくさんありました。そして、強くなりました。



下から追いかけられる
そんな役者になりたい!

 『身毒丸』オーディションに受かってから、本番までは1年以上ありました。その間に出演したドラマ『GOLD』が、公の場での初演技です。そのときも緊張しっぱなしでしたが、まわりのみなさんに救われました。松坂桃李君と武井咲ちゃんと3人兄弟という設定。監督は撮影に入る前に子どもたちだけを集めて、レッスンをしてくれました。ドラマの現場は、バタバタしていてあまり時間がないのが常。そんな中でも「もっと力を抜いていいよ」とマメに声をかけてくれました。スタッフさんや共演者、周りにいるすべての人のお陰で自分が成り立っていると実感できた時間です。4月からスタートしてい

るドラマ『リーガル・ハイ』では若手弁護士を演じています。セリフはそれほど多くはないのですが、その中でも存在感を出していきたい。役柄の性格から出てくる癖とか、味のある演技を監督と話しあって決めていきたいです。ここまで読んでくれた人は、僕がどれだけ緊張しいかというのがわかっていただけたと思います。でも、どんなに緊張しても、常に自信とプライドをもって今までやってきました。どのシゴトにおいても必要なことですよね。ちなみに目標の設定はしていません。目標があると、そこがゴールで終わり、というイメージがあるから。しいていえば、後輩の目標にされるような役者になりたいかな。下から追いかけられるような人間になりたいです。調子に乗った発言しちゃいました(笑)。


史上もっとも笑える弁護士ドラマ『リーガル・ハイ』フジテレビ系 毎週火曜よる9:00〜
毒舌で偏屈、最低な性格だけど、訴訟の勝率は100%の弁護士、古美門研介を中心にくり広げられるコメディタッチの法廷バトル。脚本は『ALWAYS三丁目の夕日』をはじめ、数多くの話題作を手がけた古沢良太氏が担当。矢野クンは若手弁護士・井手孝雄役を好演中です!■出演:堺雅人、新垣結衣、生瀬勝久、小池栄子、田口淳之介(KAT-TUN)、矢野聖人、里見浩太朗